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それでどうかな。

一昨日からエアコンがつかない。
新手の春の訪れだなと思うことで許した。
代わりに、冬に数えるほどしかつけなかった炬燵に最後の仕事をしてもらおう。私の仕事は引っ張られるけど。洗濯機は30分も前に止まった。

暖かい気温なんて、一緒に暖かいねと言ってくれる人がいなければただの絶好の昼寝日和で、同様に寒い日なんて、一緒に寒いねと言ってくれる人がいなければ、体温で温めた毛布の中での午前しかいいとこがない。そんなこともないか。


耳の軟骨に開けた穴をひとつ閉じた。可愛いからという理由で耐えてきたあの痛みも、塞いだ瞬間に消えた。左を下にして寝れるし、服を瞬時に着る事ができるし、櫛が当たるのが怖くなくなった。なんだよ〜〜、一個かわいいを諦めただけでこんなに生きやすいのかよ〜。失った分の可愛いを君が埋めてくれなきゃ、嫌だよ。

私といる事で、君が得する事はあまりないと思うけど、あの日から私は正直でいるって決めたから、少なくとも私の言葉の中から嘘を探す作業は省けると思うよ。それでどうかな。



大好きな漫画の、大好きな台詞。
「あれは宝物ではありません
宝物を思い出すためのただの道具です」


忘れたくない記憶も、曖昧になってしまう。

宝物は物じゃなくて記憶でもいいと気付けたのは忘れたくない記憶が増えてきた頃。どんなに大切な思い出でも、四六時中その事を考えているわけではないから、やっぱり気づいたら思い出す時間が減っていたり、細かい部分が抜け落ちていっちゃったり、上手く思い出せない事がある。でも、持っているだけで、それをみた時に一瞬、フッと記憶と感情が通ればいいな。それがおまもりになる気がする。

大切なものは一つだけでもいいし、たくさんあってもいいし、人に言わなくてもいいよ。私にだけ教えてくれる時があれば、その時は、それは私にとっても大切なものになるかも。へへへへへ


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