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本多忠勝のはなし

ー鎧編②ー

今回は前回に引き続き、平八郎殿が身に着けていた鎧「黒糸威胴丸具足」についてのおはなし。

前回同様、私の拙い語彙力では平八郎殿の御姿をイメージしにくいと思われるので、御本人に登場していただこう。

すんごいポップな本多平八郎忠勝殿である。

1.機能性

「黒糸威胴丸具足」(くろいとどおしどうまるぐそく)は、一般的な鎧より軽く作られている。
これは、平八郎殿が戦場での立ち回りやすさを考えてのこと。
硬くて丈夫な重い鎧で「護り」に入るよりも、軽くて動き回ることで「攻め」を重視した平八郎殿らしいこだわりと言える。

2.念珠

ポップ版平八郎殿を見ておわかりいただけるように、肩から腰にかけて、大きな数珠が掛けられている。
これは、平八郎殿が戦場で葬った敵の魂を弔うためのもの。

決して戦を好んだわけではなく、主君と自らの命そして意思を貫くために、戦うという方法を選ぶしかなかった。
平和な世なら、敵として戦って命を奪うこともなかったかもしれない…
そんな平八郎殿の心の葛藤と、思慮深さが垣間見える。

私が人生のベストゲームの一つとしてカウントする「戦国無双」では、
平八郎殿の決めセリフが
「我が念珠の記憶に留めん!」
「おぬしのことは、私の念珠に記憶に留めよう。安らかに眠れ(ここまではいってない。)」である。
実際の甲冑の一部をセリフにフューチャーさせるとは、ニクイ演出!

3.実際の御姿

本田忠勝のはなしー名槍・蜻蛉切編ーでおはなししたが、私は2018年7月に
平八郎殿ゆかりの地である岡崎まで赴き、蜻蛉切の御姿を拝見した。

そして、なんとリアルガチ「黒漆塗十二枚筋兜」&「黒糸威胴丸具足」も展示してあったのである。

御姿を拝見した感想は「勇ましい」である。
圧倒的な存在感。
蜻蛉切同様、平八郎殿が実際に身に着けたものが目の前にあると思うと
ドキドキが止まらない…

いくら史実上存在したとわかっていても、実際に物を拝見すると、
「あぁ、本当に平八郎殿はいたんだな。」と改めて実感する瞬間である。

4.余談

「黒糸威二枚胴具足」の御姿を拝見して、もうひとつ思ったことが
「ネットや本で見るほど、黒くない」だった。

兜も甲冑も黒光りしているイメージだったが、意外と赤茶色っぽい…
年月が経っているからだろうか…
現役当時はもっと黒かったのかもしれない。

どちらにせよ、実物を生きているうちに拝見できて大満足であった。

次回はー平八郎殿を演じた男たちーのはなし。


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