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私の企業文化体験記‐GAPスタンダード編‐

濵桜コンサルティングの松田史子です。
 
このブログでは、
企業文化および、成長文化について
様々な角度からお話ししていますが
 
今回は独自の「カルチャー」を持つ
GAP社で働いていた際の、
 
社内共通基準であった
「スタンダード」と成長についての
体験をお話したいと思います。
 
 
「GAPらしい」=「GAPライク」か、
そうでないか。という観点で、
 
私たちがいつも考え、
仕事していたことを
前回お伝えしましたが、
 
GAP社には
「価値観」「行動指針」以外にも
「GAPライク」な世界観の
実現のための
共通のガイドラインがあり、
 
それは、
社内用語で「スタンダード」と
呼ばれていました。
 
「スタンダード」は
「基準」や「標準」という意味の
英語ですが、
 
まさにGAPブランドを
表現するための基準であり、
ルールであり、ガイドでした。
 
例えば「GAP」は、
創業者のフィッシャー氏が、
自分のサイズに合うジーンズを
見つけられなかったことから
生まれたブランドです。
 
ですので、
GAPの売場は、
いつでも、全ての服のサイズを
見やすく揃えていることが、
ブランドのスタンダードです。
 
そのため、
1段当たりのデニムの枚数や、
ハンガーのかけ方など、
売場に関するルール=
細かいスタンダードが決まっており、
 
これらひとつひとつを店舗が
実践することでGAPの目指す、
お客様にとって見やすく買いやすい、
売場が実現できるようになっています。
 
それってつまり、
マニュアルや、
ルールブックじゃないの?と
思われそうですが、
GAPでは、少し違いました。
 
なぜなら、
マニュアルやルールは、
守ったり、従うものですが、
 
私たちにとって
スタンダードは、超えていくものであり、
グランドルールを理解したうえで、
更に考え、より良く実現するものでした。
 
だからGAPでは、
スタンダードは
「できている」や「守れている」でなく
「高い」「低い」で語られていました。
 
決められた基準は守りながらも、
さらにそこを超え、
 
お客様のために、
高いスタンダードを実現し、
維持するために、どうするのか。
 
90年代当時「スタンダード」は
1冊の書にまとめられていたわけでは
なかったので、
 
これを読めば全てわかるような
バイブルはありませんでした。
 
そのため、私たちは、
それぞれの知識を持ち寄り、
メンバー同士で考え、試し、
相互にフィードバックをしあいながら、
日々、最適解を探していました。
 
当然スマホも、グループラインもなく、
写真1枚共有するのも、今のように
簡単にできない時代ですので、
共通のイメージレベルを持つためには、
常に言語化し、文字化し、絵や図を描き、
視覚化し、とにかく、対話したものです。
 
今思うとすごいエネルギーです。
 
普通にできた、では絶対に終わらない。
毎日毎日よくやったものと思います。
 
ブランド初期の、
アゲアゲの雰囲気だったとはいえ、
あそこまで夢中になって拘れたのは、
なんだったのでしょう。
 
改めて考えると、大きく3つの
環境サポートがありました。
 
1つは、
スタンダードの重要性と目的を
伝えられたうえで、
自分たちの使命としての
動機づけがされていたため、
プライドをもって思い切りやれたこと。
 
2つめは、
スタンダードに関する
フィードバックを頻繁にもらうことで、
都度、その注目度や重要性を再認識し、
優先事項として意識し続けられたこと。
 
3つめが、
最も大きな理由として、周囲の誰もが、
スタンダードを超えようと、
情熱的に仕事に打ち込む、職場環境。
 
つまり、
GAPの企業文化=成長文化環境に
あったと思います。
 
人は
環境に影響を受けやすい生き物なので、
 
当たり前基準の高い環境におかれると、
基準が高くなりやすく、
反対の場合もそうだと言われています。
 
成長文化のある職場環境で
あるべき姿を示され、
役割を与えられ、
動機づけされ、
フィードバックで評価される
 
当時の環境は
まさに人が成長するサイクルでした。
 
ひとつひとつは
小さな仕事ですが、
自分たちで考え行動し、
これらのサイクルを回し、
学び、体感することで、
自身の成長と、組織への貢献を
感じることは
とても楽しいことでした。
 
だから、
サイクルを止めず、皆、夢中で
走り続けられたのでしょう。
 
そして、
組織や周囲が成長していく環境がまた、
自身の成長へのモチベーション
になっていったのです。
 
小さな仕事の先の大きな目的を見据え
成長を実感しながら、
働くことができたことは、
自分にとって大きな財産です。
 
そして、
高いスタンダードの実現と
個々の成長を助ける環境を
サポートしてくれた、
成長文化における
マネジメントの力の大きさを知る
機会にもなりました。
 
マネジメントについては、
今後また、お話ししたいと思います。
 

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