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【質問箱への回答】歴史総合の授業づくり 資料集めの方法、教育学の用語、日本史専門教員

質問箱への回答が文字数を大幅に超えたので、こちらに回答します。

夕波先生、初めまして!
私は今教育学部に通っている大学生で、もうすぐ教育実習を控えているため、指導案を書いているところです。以前からTwitterでの先生方の実践を参考にさせていただき、ジグソーをはじめとしたALの指導案をいくつか頑張って作らせていただいています! そこで感じたことが2点あります。
1点目としては、各種媒体(教材や資料の共有サイト)が教員向けのものが多く、大学生の身からすると資料(史料)の収集に限度があり、著作権的にグレーなものがいくつかある状態です。夕波先生が資料を集める時に参考になさっている本などはありますか?
2点目としては、Twitter上で実践を報告していらっしゃる先生方の「○○主義に基づいて〜」のような言い回しがとても難解なことです…。これに関しては私の勉強不足が大きいのですが、昨日夕波先生が「スーパーティーチャーしかできない科目という認識を何とか変えたい(意訳)」と仰っていたことで、少し安心できる気がしました。現状歴史総合は世界史専門の先生方に有利な科目なのでは?と感じていたので、先生たちのお力でこの仕組みがより整っていって、私のような日本史に興味がある学生でも関わっていきやすい科目になってくれると嬉しいなぁと思いました☺️
長文でお見苦しい内容かとは存じますが、夕波先生のお話をうかがってみたいです。

ご質問ありがとうございます。教育実習頑張ってください。

1点目:資料を集める時に参考になさっている本などはありますか?
→KCJの授業づくりでは、私は次のことを意識しています。
①キャッチーなMQ
②比較的読み解きやすいエキスパート資料
③倫理観、価値観を問い、正解が1つに定まらない切実な議論

①に関しては、新書、テレビ番組、大学時代の講義で印象に残っているネタなどを活用しています。
新書は、講談社現代新書が読みやすく、よく使っています。
「この単元のネタを集めるために、本を読もう」となるよりは、地理・歴史関係の新書を読んで、これはこの単元に使えると思ったものをスマホにメモっています。

②に関しては、各社の教科書・資料集が多いです。各社のプロたちが、高校生にとって読み解けると判断された資料を選んで載せていると考えると、教科書・資料集に載っている資料をもとにするのがまずはとっつきやすいのかなと思います。
また、共通テストの問題も混ぜ込むことがあります。

③に関しては、倫理や現代文で学ぶような、白黒つけがたい問いを繋げられないか?を考えています。
「大衆社会で、人はなぜ孤独なのか?」「科学技術は人を幸せにするのか?」「大衆は、戦争の被害者か、加害者か?」など。

2点目:「○○主義に基づいて〜」のような言い回しがとても難解
→難しい言い回しを使いがちなのは、私自身も反省すべきですね。かつ、私も、他の人同士のやり取りで、よく分からないこともよくあります。
「この語句が分からない」をどなたかの質問箱で指摘してもらえたら、都度それがどういう意味なのか、その人が答えるでしょうし、かつ他のアカウントもその答えを受けて反応すると思います。

「現状歴史総合は世界史専門の先生方に有利な科目なのでは?」という点については、歴史総合は実際、世界史寄りな気はします。
グローバルヒストリー全体から見た近現代史の再構築なので、そうなるだろうなと思います。
ただ、国民国家史がいかに紡がれてきたか?(アイヌや琉球を辺境と捉える点など)を、日本史を題材に詳細に理解している、そこを思考させるネタを持っているという点で、日本史専門の教員が歴史総合で活躍できる場面は相当あると思います。

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