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二次試験対策【英語】


「英語」の2次試験対策は


① 「出題者/採点者」の観点を知る+身につける
② 「和文英訳」と「英文和訳」を表裏一体として捉える
③ 「自由英作文」は「論理フレーム」に基づく多様な演習がカギ

近年の出題傾向

・「出題者/採点者」の観点を知る+身につける
マーク式の試験では、ぼんやり内容がわかる程度でも正解する確率はありますが、記述式の試験では、それは通用しません。まして、C判定、D判定の受験生が逆転を狙う場合、ただ量をこなしたり、闇雲に答案を作るのでは意味をなしません。
二次試験の英語では、「英文把握の深さ・教養の広さ・表現力の高さ」この3つを明確に出題者にアピールすることで、まちがいなく「満点の答案」を作ることができます
出題者の観点をもって、受験生に求められる「満点の答案」を知り、そこから逆算的に答案を作ることを目指す、残された時間をそのプロセスに向けて演習/添削を重ねれば、志望校の合格はおおきく近づきます。
ここ数年の国公立大の二次試験では、実用性のある英語力を測ろうとする共通テストとは異なり、難関国公立大入試においては特に、これまでの傾向を維持する保守的な流れは変わりません。
全体として、英文和訳の出題はかなり減ってきてはいますが、難関国公立大の問題は、研究機関である大学サイドが求めているのは「アカデミックな内容でも正しく読めて表現できる英語力」であることを如実に表す骨太の英語試験です。


設問別の傾向・対策


・ 英文和訳のアプローチ

ステップ① 与えられた英文が「何を伝えようとしているのか」を解釈する
→文全体のトピック→段落のトピック→文脈の流れ

ステップ② 訳出する部分を、文法的に正確に解釈する
→ that, what, which, but, as などは特に注意

ステップ③ 頭の中で「直訳」し、日本語としておかしい部分を「意訳」する
→場合によっては、「直訳」を書いてみるほうが確実

答案をまとめる際の注意点

・英語の中に不足している部分があれば補う(主にDiscourse marker
・不用な繰り返しを避ける(同意表現で回避する)
・不用に長い修飾部分は分割する
・主述関係、修飾・被修飾関係は、できる限り明確にする(近くにおく)
・「直訳に基づく意訳」であることを忘れずに

多くの受験生が作成する「意訳」は、正確な意味での「意訳」ではありません。前後の文脈で大体の雰囲気をつかみ、下線部の英単語の意味を当てはめて作られた意訳、一見するとうまい日本語に見えますが、上記の「ステップ①②③」を経ていないものは全て減点対象です。特にステップ②、つまり、文全体の文法的な内部構造や構文理解がたとえ自分は理解できていても、そのことを採点者に「アピール」できていなければ答案作成の努力が水の泡です。
答案作成の原則は「直訳」、つまりステップ②にあるように文法的に正確な解釈をし、その英文そのものの意味を表す作業をまず実施する。その上で、ステップ③、つまり日本語としておかしいと感じられる部分のみを「意訳する」、そうすることによって初めて、採点者の採点基準にのるのだ、ということを忘れてはなりません。

「差をつける」テクニック

難関国公立大学を受験する受験生は当然として、2次試験でおおきく挽回したい受験生は、「無生物主語構文」「品詞転換」「疑問詞の可視化」「仮定法」これら4つのスキルをしっかり磨いておくことが、志望校合格への確実なパスポートになります。


・ 内容説明問題のアプローチ

パターン① 「下線部の指示内容」
パターン② 「下線部の理由・具体例」
パターン③ 「下線部なし( ≒ 要約)」

テクニック

・先に設問を読み、該当箇所を探るつもりで読む(複数箇所・広範囲の場合もあり) 
・パターン②が最も出題される
・パターン②は特に前後に注意 (Discourse Marker多し)

答案をまとめる際の注意点

1 設問をきちんと読む!
・下線部が名詞ならば「体言止め」/下線部が理由なら「理由止め」

2 字数制限を確認
・「~字以内」は、字数制限の90%
・「~字程度」は、プラスマイナス10%
・「~字から~字」は最大最小

3 採点者によんでもらえるように!
・丁寧な読みやすい字/かけるものは極力漢字で

国公立大の内容説明問題は、パターン①(下線の施された代名詞など内容を問う形式、該当箇所をそのまま和訳させる)、パターン②(理由・具体的内容など、本文の一部をピックアップしてまとめさせる)、パターン③(段落・本文全体で述べられている内容を簡潔にまとめさせる)の3つに分類することができます。
パターン①においては、まず該当箇所の特定が重要であり、上記の「英文和訳のアプローチ」の項目内容をしっかり活用することで満点解答が狙えます。パターン②③は、共通テスト傾向分析(英語)で述べた、第5〜6問で意識していたパラグラフリーディング第5〜6問 説明文の読み取り部分参照)をもとに、できる限り多くの問題演習(答案作成と添削)を繰り返すことがベスト。


・ 和文英訳のアプローチ

ステップ① 与えられた日本語文が「何を伝えようとしているのか」を解釈する

ステップ② Situation(誰から誰に、いつ、どこで・・)を具体的に想定する

ステップ③ 日本語らしい日本語「意訳」から英語らしい日本語「直訳」へ変換する
→この時に、使う構文・主述関係を決定する

答案をまとめる際の注意点

・直訳=逐語訳は絶対にしない
・日本語の中に不足している部分があれば補う(主にDiscourse marker)
・不用な繰り返しを避ける(同意表現で回避する)
・不用に長い修飾部分は分割する
・「あたまでっかち」はなるべくさける

ステップ①② 「何を誰に、いつどこで」伝える内容であるかを「表現」する

和文英訳の採点基準は「問題文の意味がどれだけ正しく(=曲がらずに)伝わっているか?」です。「次の日本語文を英訳しなさい」と指示があっても、要は「次の日本語文を英語で ”表現” しなさい」と言っているのと同じです。いわゆる「直訳=逐語訳」では、どう工夫しようとも文法・用法・表現的に不自然な英語(言わない・使わない・通じない英語)となり、下手をするとほとんど得点にならない場合があります。
また、その際に重要になるのは、Situation(誰から誰に、いつ、どこで・・)を具体的に想定することです。日本語はそもそも「省略」が多い言語であり、問題の日本語文そのものにおいて主語や対象などが書かれていないことが多いのです。
要するに、重要なのは、「表現」よりも「内容」を忠実に表し、できるだけシンプルかつわかりやすく表現することです。

ステップ③ 英語らしい日本語「直訳」への変換とは

「和文英訳」は「英文和訳」をひっくり返したものである、その発想から入りましょう。

英文和訳 = 英文(英語)⇨直訳(日本語)⇨意訳(日本語)
和文英訳 = 意訳(日本語)⇨直訳(日本語)⇨英文(英語)

つまり、設問の「日本語らしい日本語文:意訳」を「英語の文構造に即した日本語文:直訳」へと変換し、それを「英語文」に表す、と言うより『戻す』という感覚です。
その過程で「どの構文を使うか」「どの表現を使うか」などを頭に浮かぶように、英文和訳時のステップ②とステップ③の「連携」をしっかりと身につけておくことが重要です。

(例)
「人はどういうわけか、年齢を重ねれば重ねて行くほど「童心に帰りたい」という本能が強まってくるようだ」(大阪大学)

「何らかの理由で、人は歳がいけばいくほど、子供時代に戻りたいと強く切望するものであるように見える」
It seems that the older people get, the more eager they are to return to their childhood for some reasons.
「どういうわけか、人が歳をとるにつれて、子供のように無邪気に物事を楽しむという強い欲求をもつように見える」
Somehow, people, as they get older, seem to have a stronger desire to enjoy things innocently like a child.

復習の手順

① 参考書などにある複数の解答例(英語)をそれぞれを「直訳(日本語)」し、「意訳(問題文の日本語)」と比較する

② 「直訳⇔英語」のつながりを覚え、「意訳」との表現の違いをマスターする


・ 自由英作文のアプローチ

国公立大で出題される自由英作文は、求められる語数によって、①50~60 語、②80~120語、③150~200語という大まかに3種類に分かれ、②③が大半を占めます。受験生が書く英文ひとつの基本語数は14〜16語、SV関係の節はだいたい2つとした場合、14〜16語、SV関係2つの文が①2つ、②3〜4つ、③5〜7つと目安にすることができます。
上記の和文英訳(条件)と同じように、むずかしい表現を書くのではなく簡単に噛み砕いてかけばOKです。加えて、「言いたいことを忠実に英語で書く」のではなく「英語で言える範囲で書く」ことも忘れてはなりません。常識的・論理的に整合性が取れていれば答案として成り立ちます。

「論理フレーム」の選択

もう一つ重要になるのが、論理フレームです。フレームとはパラグラフ内部の流れのパターンです。パラグラフライティングにおいては、パラグラフ内部の論理展開はさほどパターンはなく、そのパターンの流れに沿って主張を展開すれば答案作成ができます。
ある課題に対しての演習として、パターンを固定した上で、意見をさまざまに変えてみる、そうした演習を重ねると効果的です。また、解答例を研究し、自分でも使うパターン・表現としてストックしていけば及第点の答案が作成できるようになります。

論理フレーム ①(BASIC)

1 主張
 私は~と考えます
2 根拠
 なぜなら~だからです
3 主張の繰り返し
 それゆえ、 〜すべきと考えます

論理フレーム ②(STANDARD)

1 主張
 私は~と考えます
2 根拠
 なぜなら~だからです
 3 具体例
  例えば〜です
 4 譲歩
  確かに~という面もあります。しかし、〜ではないでしょうか
5 主張の繰り返し
 それゆえ、 〜すべきと考えます

論理フレーム ③(HIGH)

1 主張
 私は~と考えます
2 根拠
 なぜなら~だからです
 3 定義
  一般的に~とされています
 4 権威付け
  〜 によると、 ~とされています
5 具体例
 例えば〜です
 6 事例
  かつて〜ということがありました
 7 比喩
  それは、まるで〜 のようなものです
8 譲歩
 確かに~という面もあります。しかし、〜ではないでしょうか
9 主張の繰り返し
 それゆえ、 〜すべきと考えます



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