「コミティア146」で買ったもの
世に「即売イベント」の種は尽きまじ
文学フリマ、に、ここ2年くらい行っていて、
行って面白いのはいいのだけど、それだけで「即売会イベント」のイメージを持っているのもアレだなあ、という思いがちょこちょこあったんですね。
また、文学フリマも次々回から東京ビッグサイト開催とアナウンスされ。多くの「即売イベント」はビッグサイト標準だったりして・・・。
そんなあれこれで
12月はコミティアとゲームマーケットに、はじめて、足を伸ばしてみました。
こうなるとコミケも・・・ですが、そこはやたらなハードルを感じる今日この頃。
コミティアは文学フリマより
「見た目で買っていいんだろ だって絵のイベントだし」
という野蛮な態度で臨んでいます。
旅行記
さり柴 『(社会主義時代モンゴル建築~エルデネト写真集)』『女三人青ヶ島旅行記』
前者は書名が書いてないので仮タイトル。
この通りモンゴルが社会主義国家だったころの様子が色濃く残る街「エルデネト」(ウランバートルから寝台で13時間)の建築写真集。
直線的対照的な建築フォルムと、真四角な版型がマッチしてます。
ちょうど昨年、
「満州国の近代建築遺産」ていう写真集が出てました。白黒だからアーカイブと勘違いしそうだけど、現存するものを最近撮ったもの。しかもロシア統治時代も含む。
それを思いだし、共通するものを感じて購入。
後者は、
著者と友人2人が東京の 南の 南の 南の 島「青ヶ島」へ旅したルポ。
船の就航率6割、ヘリでも8割という難航の地。大凸部(おおとんぶ)という二重カルデラの絶景スポットや、地熱で噴き出す蒸気「ひんぎゃ」を使った蒸釜などなど、絶海の孤島案内。
なんとコワーキングスペースも営業しているとか。
調べると、青ヶ島には人気ユーチューバーもいらしって、発信が盛んなようだ。
九段そごう 『Enter the London』『すきまから好き』
ロンドン旅行記をリソグラフでカラフルに記録した前者と、好きな食べ物、持ち物、旅行先をイラストで語った後者。
はぁー絵うまー。
だたろう 『真夏のスウェーデン旅行記 〜スウェーデンに2周間いたら友達ができて猫背も改善しました〜』
タイトルに全部入ってるエッセイマンガ。色んな偶然の運命の出会いを呼び込んだ旅の記録。
『北欧ふたりぐらし』というマンガもヤングアニマルでご連載中。
さざなみあやめ 『旅血日和 12』
コミケには長年の献血協力という功績があって、会場近くのバスでの献血は定例だし、全国規模で献血応援イベントも行い、期間中はコラボしたアニメのグッズがもらえるのだった。
で、こちらはコミケにも出ながら、もはや独立した献血趣味の持ち主。
「旅血」。
旅行に行って献血、なのです。
12巻目と書いてあるこちらは郡山、神田、大宮、岐阜、松山の旅行(血)記を収録。(岐阜と松山は自分もストリップ旅行したことがある。のでこの巻をチョイス)
旅行記の記述のなかに、以前行った献血ルームがリニューアルしているとか、全国的に内装のムードのパターンがこれこれ、とか、
コミケの前夜祭で集まったメンバーが、5人で献血回数1300を超えていた、とか・・・が入ってくるのが旅血。
全く知識ないので知らなかったが、400mlか200mlの全血献血以外にも「成分献血」というのがあるんですね。
こちらだと回復が速いので、スパン短めに旅血をこなしていけるのだとか。エキスパートです。
あと「旅血」で検索すると、こんなにいるのか。という事態に直面しますね。
ぴろり~ぬ 『ぴろり〜ぬII 旧ソ連 不自由旅行 篇』
サイト・SNS見つからず。他の冊子もミイラや身体変型みたいなディープジャーニーで、ヴィジュアル的には穏当なこちらをセレクト。とはいえ'98年の旅行、'01年に発行した冊子を、現在の情勢から需要が高まっているのを感じて再編再発行したとのことで、世界と時代はいつでもつながってしまうものです。
まだ読んでないけど、とにかくディープだろうな。。。
体験・エッセイ
るかぽんず 『便検査を放置したら大変なことになった話』
便検査の結果をまあまあ、とやりすごしていたら危なかった、というエッセイマンガ。やぁ怖い。タメになります・・・。
(なお個人名は るかぽん さん)
はしゃ 『はしゃログ Vol.1』『ハクとはしゃぐ。』『中古マンションではしゃぐ。』『中古マンションではしゃぐ。売却編』
イラストレーター・漫画家の はしゃ さんによるオススメごはん&デザート屋紹介の『はしゃログvo.l.1』は2018,19年来訪のお店。草津旅行記も収録。
そのほか、保護猫のハクとの暮らしを始まりから描いたエッセイマンガ、
自宅マンションを購入するまでのエッセイマンガ、
自宅マンションを2年(!)で売りに出したエッセイマンガ・・・。
一冊目のときはまさかこんな二冊目(緑のほう)が出るとは思いもよらなかったことでしょう・・・
築年数に対して管理・修繕・積立金が行き届いてなかったわけで。色んなところで起こっているんだろうなあ。
赤松健 『赤松健の国会にっき 2』
議員になってから月・水・金と、この1ページマンガをツイッターで更新していたというのは初めて知った。これはすごいなあ。
冒頭に出てくる、赤松さんを引き入れた山田太郎議員はその後、文春砲を食らってしまいました。(金を渡したことは否定)
てらいまき 『私が富豪だったらコレ全部買うのに~』
欲しい!インテリアや小物をイラストと共に
「欲しい~」
と描いた本。
ブースには4冊出されていて、それが、オススメ本・これ良かった本と、これ欲しい~本・これからこうしたい~本で、
過去と未来でハーフ&ハーフになっていた。おもしろかった。
研究
村咲くう 『あなたとわたしとPizza Toast』
たまごサンドに詳しい人として「マツコの知らない世界」にご出演らしいが、ピザトースト、ほか、ほかほか、あらゆる食物の食べ比べウォッチングをされているようだ。
この本は喫茶店から冷凍食品まで、写真とマンガで詳細レビュー。でした。
まっち(マッチクラフトワークス) 『結婚相談所体験記 旅オタク、婚活をする』
夫婦流れでこれ。
旅行本サークルのかたが出した婚活体験記(なぜ ちくま新書装丁)。結婚相談所のシステム説明はもちろんのこと、オタクが陥りがちな思考、婚活市場で求められるものとは・・・など、現実描写と読者への配慮、メンタルケアの塩梅がすばらしく、「コミュニケーション能力」を感じる仕上がり。
これ書ける人は婚活いけるわ!
という妙な納得も生む一冊。しかし、大変だね・・・これ・・・。
Lilium rubellum 『クルド女性兵士写真集 準備号』
生写真付き。
クルド人への日本の入管対応問題は、『東京クルド』という映画を一回見ただけの素人で、川口市で住民が増え衝突が起こり始めてるとかも、何とも言えない。だからこそ気になる。
で、この本は問題意識からなんでしょうか、それともミリタリーフェチでしょうか、まあ両方なんでしょうが・・・
ということを
訊きたかったのだが
いやあはあ、みたいな答えしか得られなかった。
何だお前は。と思った。正直なところ。
中をひらくと、イスラム社会で女性がおかれた立場のことや、クルドに女性兵士が増えた理由などの解説が置かれてありました。
(※ツイッターでも有用なクルド情報を発信されています)
モデルをされている方について。
帰国した際に問題になるといけない(兵士コスプレ・・・)ということで鼻から下は隠した状態で撮られてある。のでここでもカットしました。
ただ、あれで女性客には饒舌に語ってたりしたら、座布団引き裂いちゃうよ。
大塚モータース 『るるる 大井川』
186ページ!フルカラー!写真満載!重い!
ひとり編集!
まあ、大井川に行く予定は全くないけれど、ひとには現地に行かないからこそ観光ガイドを読みたい日もある。
そのひまで わたしは ねかせようとおもう。
掛川とも割と近い。掛川は「TRPG先進都市化計画」が動いているそうです(ゲームマーケットより)。
https://note.com/hamachiichiban/n/nd4cd3ab91093#e82f2a41-cf0d-436d-b294-3e62f70c9941
マンガ・小説
稲葉白 『高身長後輩♀と低身長先輩♂が恋愛に発展するまで。6』
6巻。
まだ発展してないんかい、というのは置いといて、絵うまぁ。で購入。絵うまいなか、さらに様々な構図や、細かいフェチ的描き込みに挑戦されているようです。
内容は、それは、タイトルを見れば、求めるものが描かれていることでしょう。
はまちか 『胸騒ぎの惑星』
異星からきた同性(ふたなり)との百合マンガ。印刷が黒インクと特色?の蛍光イエローで、そのアクセントの入れ方が夢みたい。
木瀬樹(林檎のなる木) 『知りたくなかった 後編』
R18だってあるんだぜ。
どうも前編でおじさんに開発されすっかり隷属してしまったらしい女の子が、おじさんと再会する一篇。
市販では「快楽天」などでご活躍。
泉ハナ 『BATTLE GROUND』
とあるFPSゲームを軸に巡り合うプレイヤー達の物語。
ブースで聞いたところ、出版社から刊行間際だったのが無くなってしまい、こうして発行することにしたのだとか。ほぉー。と思った瞬間、
今回はこのお弁当本だけ出すつもりだったんですが、ついでに持ってきてて・・・
と横の本を指すので、じゃあこの小説はどういう立場なんだ。とよくわからなくなった。とてもよかった。
二段組みで150ページ程度。
よーし、読みます! と買ったので、読みます!
絵ウマ
絵がうまいなぁ~ という本です。
こんなジャンル作ると、だいたい全部入るんですが。。。
バターナッツ(視覚音痴)、ヨコヤマサカズ(ARTVOX) 『そのクルマ入れる?どう切る?』
車テーマで同人誌を製作されてるお二人が、版型に対するレイアウトの相性を振り返ったもの。ちなみにこの本は「A5横」です。良いそうです。
みつきさなぎ 『橙のまどろみ』
イラスト集。均一ペン線で、とても綺麗な色配置。
樵野 『SLEEP STEEL』
ロボットが立ち働く工業地区で、毎朝目覚める少年のお話。セリフなしのサイレントマンガ。
終末へ向かう焦燥感と切なさがありました。
アシマ(flourish) 『PLAY IT STRAIGHT TRIUMPH II』
造本もイラストもキレイー。
お仕事&オリジナルイラスト集。アプリゲームやパッケージ・MV・ジャケットなどなどが入ってます。
さえ(砂糖6杯分) 『夜会』
耽美ゴシック布ヒラヒラ多めの綺麗なイラスト集。
表紙だけではわからないかもなのでペーパーをちょっと拝借。
この美しさ・・・
・・・おにぎりパラダイス~・・・?
メグリム・ハルヨ 『シニスター・リージョン/Sinister RLegion』
少女型の人造機械退廃美の(「ネクロテック」と呼んでいる)イラスト集。バックグラウンドの挿話も断片で書き込まれています。
これも絵がキレイ~。
あとでびっくりしたのは、上記「さえ」さんとこちら「メグリム・ハルヨ」さんがご夫婦だということで、
そう言われてみると夫婦でしかありえないような気がしてくる作風でしたね・・・。
soresaki 『POLY-CHROME』
各色をテーマに描かれたキャラクターたちのイラスト集。可愛いシェイプと、もやもやした奥行きを感じる塗りが素敵やす。
加藤アカツキ 『少女サイクル Hello! World!』
折り畳み・小径自転車の紹介と、個性そのままキャラ化したイラスト集。
モールトンやブロンプトン、聞いたことはあったけど読むと欲しくなっちゃう。
電動自転車編もあったのでそれも読みたい。
ERIMO 『SALON de VITRINE』
ショートケーキにモンブラン、目も潤すスイーツをコンセプトにデザインされた「スイーツランジェリー」少女イラスト集。
ミュシャ的額縁などもあり、とにかく綺麗・キレイ・きれい。
立体化プロジェクトも目標額を大きく上回って実現したようです。すごいー
なまにくATK(まちのおにくやさん) 『TUKUMOSAN ADVANCED ILLUSTRATIONS➁』
ツクモさん、というロボットのややフェティッシュイラスト集。
おにくやさん、の名の通り、他の本には「地味尻娘」という地味な普段着の子の尻をぐいぃと描いたものなどがあり。
そっちのお肉です。
面白かったのは”親子イラストレーター”なんですと。ペーパーも眼鏡女子はお子さんの作品。
ツイッターでイラスト発表されている。
https://twitter.com/magsuk4869
絵うまー。
JH科学 『ATEC』
これがタイトルなのかもわからないし、今回いちばん「ナニの何のひとなんですか?」がよくわからなかった、パワーの作品。萌え絵と街景とレイヤーとレイヤーとレイヤー、印刷以外は冊子の背糊も箔押しも、機械を中古や拾ってきたりして修理し自宅に自家製工場をしつらえて作っているのだそうだ。設備は今なお拡充中のようである。
よくわからないからアートと呼ぶ。
すごい
オーラ。
ドラマCD
( )切り抜きチャンネル ( )Clip Channel
手に入れました。
11月「文学フリマ」で”気になる”
https://note.com/hamachiichiban/n/n1a4ab95ce84d
と宣言しといて行きそびれ。
謎の創作活動がついにヴェールを脱いだのです(個人の感想)!
先の記事での”コンセプト推測”を振り返りますと、
どうやらこれは当たっていたようで、一種のモキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)と捉えるとわかりやすい。
とはいえ、わからないゾワゾワしたゾーンに存在するのが魅力だし、
フェイクである~虚実皮膜~というのは、ドラマ内容に必須ではない。
配信者の、そういえば前さ~・・という話から、不意にSFの世界観に入っていったり、感情の揺らぎがあったり、
素直にドラマを見てもらうための仕掛け、という印象を受けました。
毎回ちがう(実在しない)VTuberのデザイン、
いろんな声優さん
(実在するVTuberさんなんですが、またこれが上手いんだ。
配信慣れはしてるだろうけど、いつもと違うキャラで、
しかも台本を喋ってるはずなのに、しっかり「生配信」の
音声なんだよなあ)
配信のスタイルも違えば、入りタイミング、直前の話も趣向を変え(そこからVTuberの芸風を浮かび上がらせ)、
もちろん内容もSF回ありコントあり叙述トリックありと毎度毎度・・・
すごいです。
CDには、切り抜き動画になる前の「生配信の(当該部分の)ノーカット音声」を収録。テンポ上げるカットとか、ビシッ・ドドンSEが入る前ってことね。(BGMはあり)
YouTube版では切っていた話の詳細や、配信ぽさのために落とした音質が復旧しているといった特典もありますよ。
買ったのはシーズン1(2022年1月~5月公開)の9本収録のもの。
そしてYouTubeチャンネルがこちら。
クレジットなど詳細の載っているFANBOX。
まだこっちは追いついてないんですが、
2022年末には、本配信(架空VTuberによる…)を敢行したもよう。
新たな次元にどんどん進化を続けているようだ。。。
仕掛け人は、アニメ作家/脚本家の沼田友さん。
https://twitter.com/yunumata
感想などハッシュタグは「#しなりき」です!
・・などとそれらしく、普及させるような説明をしてきましたが、
このチャンネル、「KAI-YOU HYPER POP AWARD 2023」というコンテストで、「赤坂アカ賞」を受賞しています。
それはもう現代のトップじゃないか!
ということで、
以上。
了