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肉声 宮﨑勤30年目の取調室

猟奇的殺人犯に興味を持ちます。

どうしたらそういうマインドになるのか

どういう人生を辿ればそうなってしまうのか

知りたい

興味本位でその犯行や供述、判決を知ろうとする事は本当は御遺族の方々からしたら嫌悪感でしかありません。

それを承知で僕は知りたい。

猟奇的な殺人犯やサイコパスの人の精神を知る事で自分の視界を広げたい。
また何か世界の見え方が変わるなら、それが僕の音楽に反映されるからです。

宮﨑勤。

戦後の日本史に残る連続女児殺人犯です。
今年、安永英樹さん著「肉声 宮﨑勤 30年目の取調室」が発売されました。

宮﨑勤の生い立ち、犯行の時系列と取り調べの様子が細かく記され、なんとなくでしか知らなかった宮﨑勤の側面を知る事ができました。

手の障害からくるコンプレックス

それからまた家族、女性、社会へ劣等感は飛び火していく。

女児を殺害して、裸にして写真を撮影、添い寝、食べたとも供述しています。

その犯行の様子を文で読むたびに、読む僕もその凶悪で卑劣な内容に精神をやられ、何度も本を閉じ、心を休ませました。

被害者ならびに御遺族の方の心はこの僕の心の何倍も辛かっただろうなと想像すると、目が熱くなりました。

辛かった。

僕も被害に遭った女児と同世代で、そういう事もあっていつまでも僕の心に宮﨑勤が引っかかっていたのだと思います。

しかし取り調べの内容までは知らず、今回の読書で初めて知りました。

読めば読むほど大峯氏とのやり取りで、のらりくらりと平然と嘘をついては何とかして罪を逃れたり軽くしたり出来ないかと繰り返す宮﨑勤。
その宮﨑勤に対して根気強くブレずに質問していく大峯氏。
精神力の戦いであったと思います。
そんな宮﨑勤に嫌悪感を抱く一方、例えば一歩違えば宮﨑勤のような劣等感を抱く人は実はそんなに少なくないのではないかと僕は考えました。
ひょっとして、今のオタク文化のオープンな時代に宮﨑勤がいて、同じ趣味の仲間と多く出会い、ネットで多様な価値観を彼が知り得る事があったのならば、例の連続殺人までは犯さなかったのではないかと思います。
家族に劣等感があり、社会や学校に自分の居場所を探すのにもがいた過去が僕にもあります。
少しばかりのボタンのかけ違い、見解の相違で人はどうなってしまうか分からないものです。
つくづく思い知らされました。

勿論、宮﨑勤がした犯行は許される事ではなく、死刑は免れない刑です。
改めて被害に遭われた方、御遺族の方々には今一度哀悼の祈りを捧げます。
またこういった悲惨な事件がなくなりますように切に願います。

HALUNA(Lilbrave)

#読書 #宮﨑勤 #サイコパス

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