7:相手のことを思って話したつもりが、大失敗!(まあそんなこともあります)
こんにちは。
介護や認知症の悩み相談の
Haluhaave(ハルハーヴェ) MISAです
介護や家事、はたまた認知症の対応で大変な女性の力になれば、
との思いで活動しています。
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今日は、私の失敗談。
相手の性格や家族背景を理解して、想像をふくらませた上で相手を思いやることの大切さを痛感した経験です。
施設(介護老人保健施設 高齢者のリハビリ・療養施設)の相談員として勤めていた時のこと。
認知症と診断されているAさん。
毎日、夕方になると
「今日はもうこんな時間。家に帰れませんね。どうしよう。泊まっていいのかしら?」と職員に尋ねます。
「そうですね。今日は帰るバスがなくなってしまったので、泊まってくださいますか?お部屋をご用意しますね。夕飯もご準備しますよ。」
「あらそうなの?泊まる部屋があるなら良かった。こんな時間になってしまって、帰れないのにどうしようかと思ってたの。ありがとう。」
というやりとりで、ソワソワが落ち着き食堂へ向かわれるのですが・・。
ある日、いつのも「泊まれるかしら?」というやりとりに続き、
「泊まれるのはいいけれど、家族が心配するので泊まることを連絡しないといけない。」とソワソワ。
パートナーとは死別。お子さんはいません。親・兄弟も既に他界されています。
連絡する相手はいないので、電話のしようもありません。(そもそも、緊急時や家族からの希望がある時以外は、極力電話はしません。)
Aさんを安心させてあげよう、でも電話する先がないので困ったなあなんて思いながら、返事をしました。
「ご家族にもお泊まりになることを連絡してますよ。安心してください。」
「○○も泊まって良いと言ってますか?」
「良いって言われてます。しっかりリハビリしておいでとのことです。」
「・・・・○○(兄弟)はそんなこと言うはずない、それは嘘だね!」
Aさんはプイッと踵を返し、食堂へ・・・。
はい、やってしまった瞬間でした。
Aさんは実際は80歳代でしたが、自分の年齢を20歳前後(?)と思っています。
結婚する前の時代の中で生きているため、「家族」とは父母や兄弟を指しています。
兄弟はAさんに厳しかったと、以前話されてました。
遠方へ出かける、泊まるなどは許してくれず、こっそり出かけたりすると、こっぴどくAさんのことを叱る兄弟だったようです。
その兄弟が、泊まりについて怒りもせず、リハビリしてこいだなんてあり得ない。とAさん。ごもっとも。
Aさんの思っている「家族」と連絡は取ってませんし、ご兄弟とのやりとりは「ない」です。架空の話、です。
が、認知症の方の世界に寄り添うために、架空のやりとりを演じることはあります。なのでそこはあまり問題ではなく・・・
私の失敗は、Aさんのご兄弟が厳格な方で泊まるなんて許さない人だったことを、すっかり忘れていたことです。
「電話して!」とごねられたら困るなー、早く安心してもらってこの場をおさめようと、焦ってしまったのが、いけませんでした。
「家族(兄弟)に連絡をしたけれど、泊まるとは何事と激怒された。しかし(職員が)なだめて、明日にでも家に帰すからと説得した。」
と言う返事を、Aさんは想像していたのかもしれません。
Aさんの言う「家族が心配するから」は、
「泊まることを許さない兄弟に知らせず泊まるのは、私が心配。(怒られるのが怖い)」
ということだったように思います。
相手の性格や家族背景を理解して、想像をふくらませた上で相手を思いやることの大切さを痛感したのはもちろん、
(認知症の方に限りませんが、)相手の言葉を額面通りに解釈せず、裏にある思いや本心を想像する、汲み取る力をつけないと!
と猛省した経験でした。
介護が必要なかたや認知症で支援が必要なかたに、どうしたら安心してもらえるのか、何を望んでいるのか。
そこに思いを馳せながら対応してみると、お互いにやりとりがスムーズになるのではないかと思います。
想像が外れることもあるので、うまくいかないこともあると思いますが、
「完璧」はないですし、そこを目指すとしんどくなります。
落ち込みすぎず、そんなこともあるよね、と切り替える。(開き直りでもOK!)
今度はこうしてみようかな、と次に活かせるよう考える。
そういったコツも身につけていけると、楽になりますね。
私の失敗談が皆さんの参考になれば、嬉しいです。
では、また。
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介護が必要な方も、それを支える方も、楽しく豊かな生活ができることを願って・・・。
うまく行かなくても、落ち込んだりご自身を責めたりはしないでくださいね。
日々充分頑張っておられますので、そんな必要はないとわたしは思います。
責めたって良いことはありません。
「頑張ってるわ私!」と、ぜひご自身を褒めてあげてください。
今日は、この辺で。