富山・高岡の恵みを中心に、心づくしの和食を味わう~「茶寮 和香」
鋳物の街として全国的に有名な富山県高岡市。
その高岡鋳物発祥の地であり、伝統的な千本格子町屋が並ぶ金屋町に、「茶寮 和香」はあります。
初めて伺ったのはもう3年以上前でしょうか。
その時の料理に感動し、いつかまた伺いたいと思っていたところ、先日ようやく再訪することができました。
ここのこだわりはなんといっても近隣の高岡産の素材をはじめ、富山産素材を使っていること。
「地場の素材を使うこと、それが本来あるべきお店(飲食店)の形なんだと思っています」
こう語る店主の丁寧な心づくしのお料理が、楽しめるのです。
さて、まずは生ビールでのどを潤します。
このビールも高岡産!和香から徒歩数分の場所にあるマイクロブルワリー「Latticework BREWING」で醸されている金屋エールです。すっきりとしたのど越しは、どんな料理とも寄り添います。
新港産の甘エビに高岡産のイチジクを合わせて。柑橘の香りもさわやか。
お造り。キジハタにマグロ、剣先いか。すべて氷見であがったもの。マグロにはショウガが個人的におすすめ、と店主。
水ナスと鱧の椀。鱧も富山湾でとれるんですよ。富山湾は日本の沿岸にいる800種の魚のうち500種が生息する、といわれているので、結構なんでも上がるのです。
八寸。これも地物中心。にぎりのマグロも富山でとれたもの。
揚げ物。太刀魚とトウモロコシ。太刀魚は富山に来てよく食べるようになった魚のひとつ。お店でも、お造りから焼き物、揚げ物と、いろいろな形で登場します。
お食事。高岡産のコシヒカリは外せませんね。お米でできたお酒ももちろん食中に楽しみました。ラインナップは高岡の勝駒、富山の羽根屋、朝日町の林。
水菓子は高岡産のメロンなど。まさか高岡でメロンがとれるとは。初物でしたし嬉しい驚き。
そうそう、ミシュランガイド北陸2021特別版では星を獲得したのですが、以前の印象と変わらず、今回も丁寧で心のこもった優しい味を楽しめました。
帰り際、「以前いらしてくださいましたよね」と店主。
まさか覚えているとは思なかったのですが、いいお店って、一度おもてなしをした人のことを忘れない(たいてい話しているうちに思い出すらしいですね)、というのも大事な要素なのだな、と改めて感じつつ、ほろ酔い気分でお店を後にしたのでした。