"感想を書く"ということのすゝめ
人間の脳は忘れる。10年前遊んだゲームや読んだ本の記憶を、補正なく思い出せる人はいないと断言できる。
10年前のゲームの感想を今思いだそうとしても、その情報は現在の自分が思い出した内容であり、到底当時の感想そのものではない。しかし、他ならぬ自分の感想で思い出したものが正しいはずだし確かに当時感じた気がするなと、いつの間にか内容がすり替わっていくのが感想というものである。
「時の流れの中で自分の感想が歪み、その歪みすらを事実として再認識する」という現象の後ろ部分、"誤認識の上書き"はそうなると自覚していればある程度予防できる。
時間で移り変わる自分の記憶を信じるのではなく、感想を抱いた当時に文章として残しておけばいい。文章は時間で変化しない。
ということに気がついてからゲームの感想を遊んだ瞬間に記録するという習慣をカレコレ10年以上続けている。
始めた当初はEvernoteへ記録していたが、カテゴリなどの管理がしづらかったため近年Notionでの管理に変更した。
試しに10年くらい前のゲームの感想を適当にピックアップしたのがこちら。(一応、ゲーム内容のネタバレはありません)
ブレイブリーデフォルトの今の感想は「あ~なんかストーリー良かったよね。ジョブシステムも良かった」くらいのものになってしまうのだが、当時の感想は上記のようなものだったらしい。主人公サイドが人を殺しまくっていたの!?今となってはそんな記憶はまったくない。
人に見せない前提のものなので文章は乱雑で思ったままに書いて特に較正もしていない。しかし、遊んだ当時の新鮮な印象を保存するという目的は達されている。このページを開けば間違いなく当時の自分が感じた感想が記されている。
これが10年以上分なので項目数も感想の文字数もそこそこな量になっている。
所詮感想なのでなにかの役に立つ機会はあまりないが、いざ情報を引き出そうと思ったときに扱いやすい。Notionではこういったデータの管理が容易なので重宝している。たまにプレイ時間順でソートしたものを眺めたりしてるとちょっと楽しい。このジャンルで面白かったのは何だっけ?というのもパッと調べられる。
なんでもかんでも雑に感想を残すというのは何もゲームのみに向いた話ではなく、映画や本はもちろん、神経質になれば動画配信などの感想も記録できるだろう。
こういった同一形式で複数の情報を並列で残すという用途(要はデータベース)にはNotionというサービスはなかなか使いやすいのでオススメしたい。
感想を残すこと自体は自分が当時の感想を間違えない、という以上のメリットは特に無い(外部公開してるわけでもないので広がりもない)が、人に「◯◯ってどうだった?」と聞かれたときに正確に素早く引き出せるというメリットがなくはないかもしれない。
そのものについて説明するときに、一度文章化しているため割とスラスラ言葉が出る、というのが実際の一番のメリットかも知れない。
自分が遊んできたゲーム(本・映画)の記録にもなって後で見返してもおもしろいので、何かコンテンツに触れたときはとにかくNotionに記録しておくとおもしろいよ、というNotionへの感想保存布教の記事でした。