50.3%の衝撃
「敬老の日」にあわせて、総務省が高齢者人口などの統計を発表した。
「総人口に対して65歳以上の高齢者が占める割合が29.1%」「この高齢化率は世界最高」といったあたりはあまり目新しくもなく、「ふーん、やっぱりねえ」というところ。
それよりアラカン的に目を引かれたのは、朝日新聞が見出しにとっている「65~69歳就業率 初の5割超」だ。高齢人口に占める就業者の割合は25.1%で、65歳から69歳に限ると50.3%になるのだそうだ。「え、みんなそんなに長く働いてるのね」というところ。
私は60歳で定年退職したあとは、再雇用で65歳までいまの職場にいることができそう。もちろん収入は激減するが、業務にやりがいを感じているところでもあり、いまのところ続けることに迷いはない。
しかしそれも65歳まで。老齢年金が支給されるそのあとはまったく未定だ。もちろん他人がどうしようと別に関係ないのだが、「そうか、2人にひとりが働いているのかー」と知ったことは、これからの方向性にも影響しそうだ。
65歳以降のキーワードは「健康」と「生きがい」だ。それなりに健康でいるならば、「なにもしないで毎日読書三昧」にどれだけ耐えられるのか。それよりも働くことで社会と細々とつながっている方が、読書生活も充実するのではないか。
先月、講談社現代新書で「ほんとうの定年後」が刊行された。
「漠然とした不安を乗り越え、豊かで自由に生きるにはどうすればいいのか。豊富なデータと事例から見えてきたのは、「小さな仕事」に従事する人が増え、多くの人が仕事に満足しているという「幸せな定年後の生活」だった」という書誌情報に大いに興味をもっている。
新聞の折込広告には近隣の求人情報が入ってくる。いまはそれほどの切迫感もないのでなんとなく眺めている程度だが、掲載は「清掃」「調理補助」「警備」ばっかり、という印象だ。
そういえばうちのマンション清掃の方々はみなさん高齢者。何歳で、どういう来歴でここにいるのか、いつまで働くつもりなのか、身体の負担はどうか、などを聞いてみたいところだが、やっぱり個人的なことに踏み込んで話すのはなかなか難しいな。
その意味で、三五シンシャの「日記シリーズ」がどれもあんなに面白いのは、それぞれの職場の喜怒哀楽がホンネで提示されているからだろう。
「なにをやろうか」とぼんやり考えることは、「大学生になったら、どんなアルバイトをやろうかな」とワクワクしながら考えていた感覚に近いところがある。
ぼんやりと「空港か、ディズニーランドで働きたいな」と思っていたところ、まさに私が大学に入ったタイミングで浦安に東京ディズニーランドがオープンして、実際にしばらく働くことができた。いい思い出になっている。
たとえ収入はそこそこでも、「身体にそれほど負担がなく」「社会に貢献していると感じられる」仕事。「ほんとうの定年後」が説くところの「小さな仕事」の本質はここにありそうだ。清掃や警備でもいい。あるいは地元の「シルバー人材さん」になるのかもしれない。
そう考えてくると、ウォーキングやジョギングで体力維持をして、休日には好きな本をたっぷり読んで、仕事は楽しくやりがいがあり、noteを毎日更新し、さらに「次はに何をやろうかな」と考える。いまの私は、悪くない毎日を過ごしているんだな。
噺がまったくまとまりませんでした。
(22/9/19)