痛々しい
見てはいけないものを見てしまったような気分だった。
先日、まだ60代で急逝したコラムニスト(エッセイスト)さん。脱力系の文章が楽しく、気が向くと読んでいた方だ。
遺作になるのだろうか、最新作が出ていたので図書館で借りた。ところがこれが驚くほどダメだったのである。
文章は脱力したおちゃらけぶりがウリのはずだが、どれもこれもさっぱり面白くない。ムリにウケを狙っているのが見えてしまうのがあまりにも痛々しく、読了を断念してしまった。
あの天才コラムニスト・小田嶋隆さんも、病気がちになって以降の文章にはさっぱりキレがなくなっていた。
諸行無常。どんな方も衰えから逃れることはできない。
そんな事態に遭遇したら、静かにそっと目を逸らせてあげる。それが正しいファンのありようなのだと思った。
(23/8/14)