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iPhoneボイスメモの実力

 いわゆるICレコーダーが普及し始めたのは、私が一線の記者だった25年前くらいからだろうか。

 録音があれば記者会見はあとからいくらでも内容を聞き返せるし(ただし恐ろしく時間を喰う作業だ)、相手にわからないように音声を隠し撮りすることが必要な場面も多い。

 先日のイベント立ち会いでは、記録のために主催者や来賓のごあいさつを録音した。来賓の政治家の発言の際には付いてきた「番記者」さんたちもめいめいにレコーダーをスピーカーに向けている。仰々しいマイクがついた機種もあれば、スマホを使っている記者もいる。

 記者を卒業して録音をする機会など年に何回もあるわけでもない私。もちろん専用機器などは持ち合わせていないので、買ったばかりのご自慢のiPhone15 Pro Maxにプリインストールされている「ボイスメモ」を使うことになる。

 後から聴き返して驚いたのはその音質の良さだ。iPhone15のハードの進化なのか、あるいはソフトが改良されたのか、しっかり聞き取れている出来栄えに「ここまでやってくれるなら専門機はいらないな」と思ったほど。

 「録音補正」という機能もあり、周囲のザーッというノイズを排除して聞きたい音声がクリアになる。ヘッドホンにおけるノイズキャンセリグ機能と同じ原理なのだろうな。

 ゾッとしたのは、お試しで録ってみた自分の声を聞いた時だ。

 そもそもテープレコーダーで自分の声を聞くと、自らのイメージからかけ離れていて居心地悪く思うもの。さらに今はこれに加えて声量が乏しくなって、それはまるでお爺さんの声。
 
 さらに、声量が落ちてくると無意識に大きな声を出しているようで、ちょっと長くしゃべると疲れることもある。

 こんなところにもトシが隠しきれなくなってきているのだな。
(23/10/27)


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