目が回る充実感
報道局から異動した先である現在の職場は「事務系」ということになる。しかし伝票処理などの実務は専門にやってくれる派遣の女性がいるので、守備範囲は部下が書いた社内報的文章のチェックと修正や、社内行事の企画・運営などになっている。
文章チェックも、実はなかなか難しい。
「昔とった杵柄」なので、目を覆いたくなるような文章をある程度の“商品レベル”に引き上げることはなんとかできる。しかし、なにしろ入社以来30年以上ドラマ・バラエティ・映画製作・イベント事業などの分野とはノーコンタクトだったので、「この記事においてもっとも伝えるべきことは何か」というキモの部分を外した文章をそのままスルーしてしまうことがある。まだまだ修行が必要だ。
加えて、4月に立ち上げるWebページプロジェクトと、新入社員関連イベントが同時に佳境になってきた。連日、やるべきことが山のようにある。
きのうは5時前に目が覚めてから二度寝できず、雨模様のためにジョギングも難しいところ。「えいやっ」と出社したら7時半にはオフィスに到着して、ものごとが大いにはかどった。やはり午前中はアタマが回って気力も横溢している。ここでいかに軌道に乗せるかが大切なのだ。
目下のところいちばん憂鬱なのが値段交渉。提出された見積り書について「あっちも当方がシロウトであることを見透かして“盛ってきている”んだろうな」と警戒、そのまま受諾して「やっぱりこいつは打ち出の小槌だな」とナメられてしまうことだけは避けたいところ。しかし、なにしろ素養がないので出されたモノが妥当なのかどうかが判断できない。そもそもそのようなガチな交渉事は苦手意識があり、ウンウン唸りながら前年実績などを引っ張り出している。
それでも、職場の仲間はそれぞれの個性を発揮していて、いまの環境はこのうえなく素晴らしい。
くるくると忙しい一日を終えて退社する際に「ああ、きょうもしっかり頑張ったなあ」という手応えを感じる。この感覚は悪くないのである。
(22/3/16)