「美人アスリート特集」をやらないという“見識”
やっぱりオリンピックはすごいスポーツの祭典だ
東京オリンピックもいよいよ終盤。時差もなく、しかも日本のメダルラッシュとなれば、そりゃ面白い。フェンシングやスケートボードなどこれまでほとんど馴染みがなかった競技のアスリートたちの懸命な姿を見せてもらうと、「開催できてよかったなあ」としみじみ思う。コロナ対策がザルらしいという懸念は残るし、これを政権浮揚につなげたいという政府の思惑が奏功するなら、それはそれでなんだか悔しいが。
あるメダリストが美人さんだったのでハッとした
「あれー、美人さんだなー」と思ったメダリストがいる。これからも、引退後も、きっと人気者になるに違いない。誰のことかは、ここではあえて書かない。そういえば、ちょっと前まではオリンピックのたびに男性週刊誌や写真週刊誌が「注目の美人アスリート特集!」を定番にしていたが、今回はあまり見かけていなかった。この美人に気づいていなかったのもそれが理由かもしれない。
「美人」かどうかはアスリートとして無関係
森前会長の「女性は話が長い」問題を受けて五輪組織委にはジェンダー平等推進チームが発足している。アドバイザーの井本直歩子さんは先月の会見で「『美しすぎる』など容姿や私生活の話題が多く、純粋に選手として報じられていない。ステレオタイプを壊していきたい」と報道ぶりについて述べている。
考えてみれば当たり前なのである。五輪は美人コンテストでもオーディションでもなくアスリートが競う場なのだから、オヤジ目線を持ち込んで美醜を語るのは失礼な行為だ。もし森発言がなかったら、こうしたチームも発足していなかったのか?
金メダルを獲ってピョンピョン飛び跳ねていた姿が印象的な女子ボクシングの入江聖奈選手。カエルが好きで好きでたまらないというキャラクターや、大学卒業で競技からすっぱり引退するという切り替えの早さが話題になった。美醜から離れたこうしたエピソードで記憶に残るアスリートがどんどん出てきてほしい。
(21/8/5)