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迷った時には「エイやっ」

本業が目詰まりした

週末の選挙特番で古巣の報道ヘルプに駆り出されたため、月・火を代休にした。翌日は「文化の日」。つまり土曜日から水曜日までの5日間を本業から切り離されたことになり、今週は木・金の2日間出社だけでまた週末がやってくる。

「ラクチン、ラクチン」ではあるのだが、流石に本業で目詰まりが発生しそうだったので祝日のきのうは思い切って出社、およそ5時間で大きなヤマに一段落をつけることができた。もちろん自宅ではこんなことはとてもできないし、休日出勤では「さっさと片付けちゃえ!」という集中力が本来業務の日以上に発揮されるものである。無人のオフィスで余計な雑音がないのもいい。やっぱり私も日本人、基本的に働くことが好きなのだと実感する。

「嫌だ、嫌だ」と悩むより

思い切って出社していなければ、祝日を「あーあ、明日からの2日間で山のようにやることがあるなあ」という憂鬱な気分で過ごさねばならなかったところ。どちらが「快適」なのかは一目瞭然で、出社判断はつくづく良かったと思う。職場までは乗換えなしの4駅、door to doorで30分なのもありがたい。これが片道1時間の旅程だったら、ハードルは間違いなく高い。

「迷った時には、進め」

報道にいた頃はグラっと地震がきた際も悩ましかった。外国のニュースを扱うセクションの在籍が長かったので一義的には守備範囲ではない。もちろん東日本大震災クラスであれば迷っている場合ではないし、そうでなくても「この場合はいちいち呼び出しを待たずにとっととあがってこい」という「出社基準」が設けられているのだが、それに該当しないクラスのものになると、被害状況と自局や他局の報道ぶりを眺めながら「行こうかな、行くまいかな」と悶々とするのだ。

実はこうした場合でも「どうしよう、どうしよう」と煩悶するくらいなら、「エイやっ」と出社した方がすっきりする。出遅れた分の埋め合わせとしてコンビニでおにぎり・サンドイッチ・お茶などの差し入れを買い込んで行くのも大切だ。

「出すか、出さないか」のニュース速報

もうひとつ悩ましかったのは「ニュース速報」だ。担当の視点から大ニュースと思っても上の立場からすれば「たいしたことはない」ということもあるので、送出の判断は基本的にその時間帯の責任者に委ねられるが、担当部としてのアドバイス(というかプレッシャー)は出すことになる。ま、他局がどう出てくるのかを見るということも多かったし、超目玉編成番組の際には判断がシビアになるという側面もあったようだ。

「とにかく、迷ったらGOですよ。チャンスの女神に後ろ髪はないんです」。ある系列局の幹部さんはこういう信条の持ち主だった。もちろんケースバイケースの判断は必要だしそのために日頃から感覚を養っているのだが、基本的な心構えとして留意してきた。

「死んだ子の歳を数える」

充実の休日出勤でも、ひとつだけモヤモヤさせられることがある。「あーあ、家にいればじっくり本が読めたのになあ」ということ。休日にじっくり腰を据えれば軽い小説なら1冊読破もできたはず。死んだ子の歳を数えても仕方がないのだが、この気分だけはどうしようもない。

「リタイアしたら思いっきり本が読めるゾ」と思っているが、これも仕事という制約があるなかでの趣味だから、それがなくなると案外張り合いがなくなるのかもしれない。これはまた別のお話。
(21/11/4)


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