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鉄道システムの進化と限界
JR川越線で上りと下りの列車が同時に単線区間で進入、数百メートルの位置で停止する“トラブル=事故”があった。双方の列車が現場に3時間立ち往生して、200人が閉じ込められた、という。
記事は「体調の悪くなった人などはいなかったということです。」としているが、本当か?もし自分が居合わせたら、絶対にトイレの我慢はできないぞ。
あらかじめ予定を立てることができる映画や演奏会なら、半日前から水分摂取をなるべく控えて、開幕直前にトイレに行っておくという対策が取れる。しかし普通の通勤列車にはそんな「覚悟」がないまま乗っている。
一体どうしていただろう?
ズボンを濡らすのか、あまり混雑していなければ車両の隅っこで用をたすか、あるいは非常ボタンで扉をあけて外に向けて出すのか。いずれにしても不愉快極まりない。
続報では、双方の列車とも前の駅では青信号だったそうで、「原因はシステムトラブルか」としている。
「列車が互いに近づいたことを検知して信号が「赤」になったため、それぞれの列車の運転士が停止させ、事故にはなりませんでした」ということで、最後の砦である衝突防止のためのシステムが稼働したのは幸い。
やはりとっさに連想したのは、今週発生したギリシャの列車衝突事故。こちらでは50人以上が死亡した。
「EU=ヨーロッパ連合が去年発表した、鉄道の安全性に関する報告書によりますと、ギリシャの鉄道は、走行距離100万キロあたりの事故の死者数が、EU加盟国の平均の5倍で、安全性が懸念されていました」という報道が出ていて、とんでもないお粗末さである。
かつての単線区間では、優先権を持つ列車に「輪っか」を手渡すというシステムで運行を管理している光景があった。ダイヤが複雑化した現代はこんな単純なシステムでは間に合わないのかもしれないが、鉄道の単線区間においてもっとも防がなければいけないのがこうした正面衝突だろう。
お粗末なシステムに命を奪われるというのはなんとも絶望的な光景である。
(23/3/4)