よってたかって…
兵庫県・斎藤知事のパワハラ問題が熱い。きょうはある情報番組が「なぜまだ辞めないのか」という切り口で伝えていて「連日、よってたかって」という様相だ。
県議全員が辞職要求すると伝えられても「直接の励ましがきている」「私のところには批判はあまりない」と言い張る“鋼のメンタル”は、かえって天晴というべきなのかもしれない。
先日はこんなこともあった。
自宅リビングにいたところテレビでニュース速報チャイムが鳴った。「お、速報か。なんだ?」と反応することになるのだが、カミさんはすかさず「ついに『兵庫県知事がやめた』とか?」と予想してみせたほど。実際は「パラリンピックで日本人がメダル獲得」というものだったが、「ああ、兵庫県民でもない東京の主婦がとっさにそこまで反応するほどの関心事になっているのだな」と認識させられたことだった。
論点はいろいろあるのだろう。パワハラ、告発者を探そうとしたこと、告発者の自殺、物品のおねだり、県政の停滞…。それがすべてニュースショーとして“消費”されている感じだ。
かつての“ニュースの生産者”から今は“消費者”になった私として、メディアのそのありようは理解できるし、全否定するわけではない。しかし、いざ「斎藤知事が辞職」となった際に国民が一斉に溜飲を下げる感覚に酔いしれるのだとすると、やっぱりその根底にあるのは“集団リンチ(私刑)”のように見えてしまう。少なくとも自分の中にそうした気分があることを否定できないのである。
(24/9/11)
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