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“撮り鉄”の甲子園?
トイレにカレンダーが掛かっている家庭は多いと思う。というか、カレンダーなんて家にはトイレとリビングにひとつずつあればもう十分だろう。
ことしの我が家のトイレはJR東日本である。カミさんの卓球仲間の息子さんがお勤めというご縁からやってきたもの。「なかなかレアものらしいのよ」と、それまで掛けていた私がゲットした猫カレンダーを押しのけて鎮座した。
座っている際はボーっと眺めて無聊をなぐさめる。今月の写真はピンクの花のトンネルを列車が走り抜けているもので、キャプションには列車の型番と「勝沼ブドウ郷」という撮影地が書いてある。ふむ。いかにも春らしいし、ぶどうの花ってこんなに華やかなピンク色をしているのだね。列車には興味がないので、こちらについては特段の感慨も浮かばない。
思うのは「世にゴマンといる“撮り鉄”さんたちにとってJRのカレンダーに掲載されるということはトンでもない名誉なんだろうなあ」ということ(このカレンダー写真が一般公募なのかどうかは知らないが)。いわば「撮り鉄の甲子園」だ。
6社あるJR旅客鉄道とJR貨物をあわせて7社。それぞれがカレンダーを発行していると仮定して7社×12カ月だから、選ばれるのは1年に84枚だけである。センバツと夏で甲子園に出場できるのは32+49で81校。おお、ほぼ同じではないか。単純に比べちゃっていいのかどうかは知らんが。
そこで思い出した。JTB発行の「JR時刻表」の表紙も鉄道写真だった。こちらは年にわずか12枚。こちらに載ったとなるとこれはもう“殿堂入り”的な名誉なのではないか。
それにしても。
鉄道ファンには他にも「乗り鉄」「モケ鉄(模型ファン)」「音鉄」などがあるらしい。繰り返しになるが、私のような門外漢には「列車写真の魅力」ってものがさっぱりわからない。かろうじて心情がわからないでもないのは「乗り鉄」か。藤井聡太八冠が盤外企画でニコニコしながら乗っている姿も可愛いし。
(24/4/14)