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教養としての神話

「教養」というと非常に口はばったく、社会階級の上下を感じさせるような気がします。あえて言うなら「共通概念」でしょうか。

仏典や聖書などの経典はあらゆる文学や芸術の「元ネタ」と言える。宗教は私たちの価値観や考え方に大きな影響を与えているものだ。

ヤマダ トモコ(マンガ研究者 / 米沢嘉博記念図書館)

例えば「聖☆お兄さん」で笑えるかどうか。元ネタを知らないとどこがおもしろいのかわかりません。(お恥ずかしいことに、10巻以降は元ネタがわかりづらくてついて行けませんでした…)
パロディものはたいていそうです。「みんなが知っている」ということをベースに作られる。共通認識をもとに創作が行われます。

共通概念としての神話・経典

「聖☆お兄さん」はエンタメなので、手に取るかは個人の好みになりますが、日常生活で何気なく使っている神話や経典の言葉などがたくさんあります。例えば「油断」「安心」も仏教用語だったりします。

その語源すべてを詳らかにすることはないとは思いますが、知っていると知らないとでは勉強に大きな差が出てきてしまうのが「ギリシア神話」だと思います。

学校では教えてくれないcommon sense

なんで海外の神話なんだ!と思うでしょう。仕方ないんですよね。西洋至上主義の中で学問が作られてきてしまっていますから。

高校生の頃「なんで読んでなかったのか!」「西洋の人めっちゃ有利じゃん」と悔しく感じた覚えがあります。
「せめて学校で教えてほしかった…」と思いますが、学習指導要綱にはないですし、理解を底上げするような雑学に相当する内容は、先生がどれだけ雑談好きかなどにも左右されてしまいます。

学校で教えておいてほしい!というのは他にも税金とか人生プランニングとかいろいろありますよね。どれだけ豊かに生きられるかは、知識の前にベースの文化教育が非常に重要だなと大人になってつくづく思うのであります。

ギリシア神話は西洋文明のベース

そんな中でも、ギリシア神話・聖書・古事記あたりは早めにインストールしておいたほうが良いと思っています。

英単語、覚えるのがとっても大変ですよね。でもギリシア神話を読んでいると、語源が大体わかるようになる。
例えば「プロメテウス」「エピメテウス」という登場人物がいますが、このproは始まりの意味を表します。
プロローグは「プロ(はじまりの)」と「ロゴス(言葉)」を合わせた「プロロゴス」がもとになっています。エピローグは「エピ(おわりの)」「ロゴス(言葉)」です。

天体は顕著ですね。「プルート」は冥王ハデスのこと。元素のプルトニウムも天体のプルートからとられています。星座や天体を学ぶ上ではギリシア神話がベースにあったほうが絶対に楽です。

神話・経典・聖書の知識があると大人になっても便利

名前はただついたわけではなく、何かしらのベースが必ずあります。そのベースが神話だったり経典だったりすることがとても多い。
机の上での学習として、教科を覚えるときにもあったほうが便利な知識ですが、ギリシア神話と聖書の知識は欧米の方とお話するときに非常に役に立ちました。階級社会である欧米ではこれらを知っているか知らないかで扱いが全く変わります。

子どものうちにある程度学ばせておきたい

神仏の概念は、個人的には8歳~10歳くらいから学びはじめるのが良いのではないかと思います。あまりに幼いと世界が神話でできてしまう。それよりも科学的思考を先に学ばせておきたい。雑学・教養で十分です。

忙しい大人になってから学ぶには面倒くさいので、子どもにはこんな本で軽めに読んでもらっています。






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