チケット
※ネタです。
「あー、田中君。観戦はやめてもらえる?」
「え?だって今まで店舗内イベントの観戦出来てたし・・・現にほら!観戦してる人もいるじゃないですか?」
「観戦出来ないって事じゃないのよ。観戦を実験的に有料にしてみたのよ。だから、観戦するにはチケットを購入してもらう必要があるの。」
「有料に・・・それは混雑の緩和とか、景品等のサービス充実とかのためですか?」
「気分。」
「・・・そうですか。・・・いくらですか?」
「一番安いのだとね・・・100円。」
「なら、その一番安いのをお願いします。はい。100円です。」
「あー、田中君。専用サイトを作ったから、そこから購入してもらえる?」
「どうして・・・。」
「最近さ、チケット絡みで色々あるじゃない?だからやっぱりそういうので本人かどうかの照合をね?する必要があるんだよね。」
「目の前だからいらない気も・・・まぁ、準備しとく分には良いんじゃないですか?・・・あれ?でも、さっきは気分だって・・・。」
「うん、そう。そういう照会が必要なチケットの話を聞いた事があるから、気分でやってみる事にしたの。こっちも・・・。」
「・・・気分にしては凝ってますね。」
「制作に結構かかったよ。なんやかんやで。」
「そんなに・・・あれじゃあ・・・。」
「そう。結構前に気分で思いついて、なんやかんや準備してたの。本当は少し前に完成してたんだけど、気分が・・・。」
「乗らなかったと。そっかぁ。・・・はい。購入しましたよ。支払いは登録したもので済ませてあります。」
「はーい。ではね。100円になります。」
「・・・だから、済ませましたよ?」
「あー、田中君。そっちは気分で登録してもらっただけで、本会計はここで実際に支払って欲しいんだよね。そっちで支払われた額はすぐさま返金するから。」
「それは何故・・・。」
「気分だね。」
「うーん。・・・面倒だけども、諸々・・・。」
「気分だね。」
「・・・100円です。」
「はーい!ではこちらチケットです!席にご案内しますね!すいません、会場が狭くてぇ!」
「店舗でもあるので突っ込みづらいですね。目の前に店長がいるし、その店長に案内されてるし。」
「こちらです!それではごゆっくり!」
「・・・。あの・・・。」
「あー、田中君。そこは雰囲気席だから。振り返っちゃダメだよ。『あー、多分今、戦闘フェーズだなぁ。』とかを感じながら立っている、そういう席だから。ずっとショーケースを見てないと。」
「そういう席・・・あー・・・。あの・・・。」
「気分だね。そういう席があってもいいかなって。気分だね。」
「・・・席のアップグレードとか・・・。」
「専用サイトの方から出来るよ。その後・・・。」
「追加料金を支払うと。ここで。・・・それも・・・。」
「気分だね。やってみたくてね。諸々込みで、気分だね。」
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。