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アラカンVLoger奮戦記その8〜混ぜるだけの料理から - アラカンの50年料理史
オーガニックなヨーグルトボウルは、料理と言えるだろうか。
そんな心の声が聞こえてきた。
混ぜるだけじゃん。
いやいや、混ぜるだけでも立派な料理だ。
心の声が応戦する。
と・に・か・く
料理が出来上がる過程を動画にしたかった。それは、心の叫びに近いもの。
私は中学生から料理をしていた。と、いうより、やらされていた。
父が病気で自宅療養。母が働きに出かける。と、いう家庭環境の中、長女なんだから、家を手伝えという圧をかけられてきた。
料理は楽しくなかった。
初めて作った味噌汁は、見事に失敗。顆粒状の出汁を入れすぎたらしい。
母から叱責された。「こんなに入れ過ぎてどうするの!」
いやいや続けてきた料理は苦痛そのもの。
そして、ある時を境に自分が作った料理を食べられなくなってしまった。
拒食症ではなく、拒料理症だ。
これには困った。自分が作ったものを口にするとまずいのだ。薬を食べてる感じ。
家族は平気で食べている。だけど、作った本人は、食べられない。
それは、数年続いた。
どうやって直したのか。
私は徹底して素材と向き合った。野菜の生産地や農薬の有無を調べるようになった。
そして、気が付く。
野菜の生命力に。
生命力が味を作っていることに。
それから、料理が楽しくなってくる。素材の味を引き出す調理法を考えるようになったのだ。
来年60歳の私。中学生の時から作ってきたわけだから、50年近くだ。
テクノロジーの進化によって、素材から一つの形に出来上がる経過を残せるようになった。
すごいことじゃないか。
トントントントン、悲しみと一緒に野菜を刻んできた歴史。
今は、私の愛する家族のために、料理を作っている。
料理を動画に残してみたい。
混ぜるだけのヨーグルトから始めたのは、ゆっくり足跡を味わっていこうという気持ちからだったのかもしれない。
次は、煮炊きをしてみよう。