【月刊あんスパ通信】ご家庭でおいしくあんかけスパを味わうためのたった5つの冴えたやり方
ラブストーリーばりに突然はじまった【月刊あんスパ通信】。名古屋メシの代表格でありながらいつまでも名古屋から卒業できない「あんかけスパゲティ」をこよなく愛するわたくしが発作的にはじめた連載です。
目的は一にも二にもあんかけスパの布教。人生最後に食べるものは何がいいですか？と聞かれたら秒で「あんかけスパ！ヨコイのスペッシャル1.5（イチハン）一択で」と答えるわたしですが、ほぼ理解が得られません。
これもひとえにあんかけスパが市民権を得られていないからに違いない。ああまわりくどい。読みにくい文章で申し訳ない。
そんな秩序のない現代にドロップキックをくらわせるために立ち上がったのであります。世が世なら武装蜂起してもおかしくない鼻息の荒さです。しかし時は令和。剣をペンに、さらにキーに変えて物申すものであります。
よろしくお願いいたします。
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さて、以前書いたこの記事からはや2週間。
だいたいいつも10〜20ぐらいのスキをいただいているぼくですが、このnoteは珍しく40を超えました。おもいのほかたくさんの方に読んでいただけたようでうれしいです。ありがとうございます。
同郷出身同年輩のツイ友、noteクリエイターの砂男さんと熱くやりとりしていたのですが、やはりあんかけスパはなかなか東京には根付かないようで。フォッサマグナを超えてあんかけソースをご家庭まで持ち込んでも「おいしくできない」「失敗した」といった声が多数あがっているらしい。
東京では全くウケないあんかけスパ。でも『世界の山ちゃん』では東京の店舗でもあんかけスパを出してるらしいんです。みんな試してみて！ちなみに僕はチャオ派！
— 砂男 (@55sunawo) May 27, 2021
名古屋メシの逆襲〜The Return of the Ankake Spaghetti〜｜ハヤカワヒロミチ @hakutsu #note #スキしてみて https://t.co/Mdn500OxLG
ちなみに砂男さんもnoteであんかけスパについて熱量たっぷりに語っています。必読です。
砂男さんいわく、料理が趣味の女性（あの箱根に同伴された彼女かしら）にあんかけスパの通販セットをプレゼントしたのだが、味の感想は芳しくなかったらしい。どうやらしくじっているようだ、とのこと。
では東京に住民票を置きつつ、煉獄さんが思わずうまい！と連呼したくなるようなあんかけスパを味わうことはできないのでしょうか。
ノンノン。
ノンノンシェフよ。
たとえ東京でも、溺愛、じゃなかった出来合いのあんかけソースでも、本場に近い味は作れます。ということで今回は一人でも多くのあんかけフリークを増やすため、ご家庭でおいしくあんかけスパを味わうための５つのコツを伝授いたします。
なお、せっかくですのでここからは敬愛する土井善晴先生タッチで進めます。あの船場独特のやさしげなイントネーションの関西弁を脳内再生しながら読んでね。
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①麺は太麺をチョイス
まずですね、麺ですね。麺選びが第1のポイントですわ。
麺をこれ、普通の細さのやつでやったらあきまへん。ここは太麺を用意してください。最低でも1.8ミリ。茹で時間いうたら10分以上のやつですわ。
公式いうたらええのかしらんけど、名門ヨコイさんが出してはる麺は2.2ミリですわ。湯で時間もごっついで、あんた。13分前後茹でてください。
②茹でたら水で締める
これをですね、たっぷりの塩を入れたお湯でゆっくり茹でるんですわ。で、ここが第2のポイントですけど茹で上がったらザルにあけて水で締めてください。締めながらついでにぬめりもとってください。
適当なところで水をよくきってその辺にほかしといてください。ほかしとくいうてもホンマにほかしたらあきまへんで。いやここ笑うとこやがな。
水が切れたないうタイミングでサラダ油をまぶしておきましょう。麺がくっつかない程度ですわ。ここまでが第2のポイントです。
③具を炒める
そしたら次に3つめのポイント。ウインナーと玉ねぎとピーマンを炒めます。ウインナーは赤いヤツがええね。玉ねぎは薄くスライス。ピーマンも半分に割って細切り。これがあるといわゆるミラカンいうメニューになります。
ポイントは「具」があることと「炒める」ことなので、面倒くさかったらベーコンを炒めたのと炒り卵だけでもええですよ。具がないとなんとなく物足りなく感じますし、やはりあんかけスパの魅力は炒めにありますので。
ぼくはあんかけそのものの味を楽しみたいからミラカンよりもベーコンと炒り卵のばっかりになるけどね。いや面倒くさいのと違うよ。
④市販のソースをつかう
そうしてる間に4つめのポイント。お湯を沸かして市販のあんかけソースを温めてください。よく「あんかけソースをイチからつくらないのはなんで？」と聞かれますが、ずいぶん前にレシピのようなものを見たら、まあ気が遠くなるぐらい手間かかるんですわ。
デカいオーブンはいるわ、寸胴でいっぺんにようけ仕上げなあかんわ、一週間ぐらい寝かさないとあかんらしいし。まあ、そんなに気長に待てないからここは出来合いのソースでいきましょ。十分旨いです。
おすすめはやはりヨコイのソースやね。このへんは意見がわかれるとこやけどね。砂男さんは「チャオ」派やてね。Twitter見てたら意外とチャオ派が多かったね。本場名古屋にはヨコイのほかにもコーミやらいろんなところがあんかけソース出してはるみたいやね。チャオも出してますわ。
⑤ラードで炒める
そうしたらいよいよ第5のポイントやね。第5のポイントはこれ。ずばりこれできまり。
そう、ラードですわ。なかなかご家庭でラード使うことないかもしれませんけど、ここはぜひスーパーで買うて使ってみてください。
さきほどほかした麺をラードで炒めるんですわ。これが大きな味の決め手です。太麺をラードで炒める。大事なことなんでもう一回言います。太麺をラードで炒める。もういっぺんひらがなで言うてもええかな。ふとめんをらーどでいためる。これですわ。
ただしあんま長いこと炒めると麺が揚がってしまうから、ラードの量と炒め時間は要注意ですわ。冷たい麺に熱が入って焼き色が入る寸前で止める。ラードで麺をコーティングする感じですな。
パスタ、いうたらちょっと違いまんな。スパゲッティやでこれは。スパゲッティ。この炒めたスパゲティを皿にあげて、真ん中に野菜やベーコンなどの具を載せる。そんで麺の周りにあんかけソースを回してかけていけば出来上がり。
ラードで炒めた麺の脂分と甘辛く濃厚なソースの邂逅がやね、えもいわれぬ本場の味、どことなくねちっこい名古屋の味になるんですわ。
奥さん、これやなしにあんかけスパのおいしさは語れまへんで。なんにも難しいことしてない。太い麺選ぶ。茹でたら水でヌメリと熱をとってさます。ラードで炒める。それだけですわ。カンタンですやろ？
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読み返してみたら全然土井善晴先生っぽくないのでやめようかとおもったんですが、勇気をふりしぼってこのままでいきます。
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いかがでしたか？ご家庭で簡単に本場のおいしさを再現するたった5つの冴えたやりかた。名古屋以外に在住の方はソースを入手するのがちょいとお手間かもしれませんが、世の中便利になりました。アマンゾでポチればあら簡単。あっという間にゲットできます。
また最近では関東圏でもあんかけソースを扱う店がチラホラ。太麺も各社ラインナップに加えています。相変わらず不要不急の外出は控えろといわれているこの週末、みんなで楽しくあんかけスパの魔窟に入りませんか？
【MEMO】
◎ヨコイのソースを販売している都内のスーパー
・フードストアあおき アーバンドックららぽーと豊洲
・イオンモール有明ガーデン
※たぶん他でも売ってるはず
◎ヨコイオリジナル麺代替推奨パスタ
・ディチェコNo12スパゲッティ（太さ1.9mm）
・SHOWA太麺スパゲッティ（太さ2.2mm）
※太けりゃ太いほどいいです