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展覧会へ 『オタケ・インパクト』『志村ふくみ100歳記念』

オタケ・インパクト 越堂・竹坡・国観、尾竹三兄弟の日本画アナキズム


『オタケ・インパクト 越堂・竹坡・国観、尾竹三兄弟の日本画アナキズム』を観てきました。明治から昭和にかけて活躍した画家の三兄弟、かつては大観に並ぶような人気だったらしいですが、次第にその名を忘れられていったそうな。Eテレ『アートシーン』で紹介されてて、気になったのです。

チラシには「美術史から零れ落ちた、規格外の日本画」とあります。大回顧展は東京では初だとか。


行ってよかったです。
うーん、すごい画家で、絵師で、イラストレーターがいたもんだな……と! 私は特に竹波が描いた『九冠鳥』と、国観の『巴』という作品に心打たれました。金屏風に描かれた木蓮と九官鳥のうつくしさ、巴御前の着物と鎧の色彩と質感の見事さが忘れられません。

未来派的な大正時代の作品群にもワクワクさせられたし、権力とうまく付き合えない感じと同時に「なんでもやります!」的な仕事の幅広さも面白くてねえ。彼らの仕事を映像で伝えるコーナーもあるんですが、広告や挿し絵のタッチかわいかったあ。三兄弟、それぞれどんなキャラクターだったんだろう。

場所は泉屋博古館東京(せんおくはくこかん、と読む)、住友家と親交の深い人達でもであったようです。酒席で絵を描きつつ時を過ごすような宴もよく開かれていたようで、雅なものだなと。
前期展示も行きたかったな。12月15日まで。

泉屋博古館東京、最寄りは地下鉄の六本木一丁目駅


志村ふくみ100歳記念 「秋霞」から「野の果て」まで

大倉集古館

『オタケ・インパクト』を観終えてまで14時過ぎ。せっかくだしと大倉集古館まで歩いて(徒歩数分)、志村ふくみ展も観てきました。
こちらも素晴らしかった。人間国宝の染織家、志村ふくみさんの100歳を記念した展覧会。日本の伝統工芸であり、志村さんが創るモダンアートの世界であり。

いろんなものからイメージモチーフを貰っているんですね。とあるきものには「ジャズアルバムのジャケットが好きで気になって」織り始めた、なんてキャプションもあったけれど、なんてアルバムだろう? 気になる。

「秋霞」と「早蕨」が特に強く心に残りました。そして山岸凉子さんの作品で知った「甕のぞきの色」が見られてうれしかったな。

端切れの数々も展示されていましたが、あのうちの一枚でも喉から手が出るほど欲しい人、たくさんいるだろうね。うん、私も小さな額に入れてひとつ飾れるものなら飾りたい…。後期展示も行こう、12月17日から。

【志村ふくみ 100 歳記念 ―《秋霞》から《野の果て》まで―】大倉集古館、1月19日まで。


移動の途中、つわぶきが咲いていました。

霊南坂のイチョウが見事でした。アメリカ大使館の中のイチョウ

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