【マブラヴ】アニメ版が良かったので〝甲21号作戦〟がなぜ面白いか語ります🧐【新規向け】
最近、アニメ版マブラヴオルタの20話・21話をロボットみたいに見続けている。
「なにしよっかなー」と思ったときには身体が勝手に動画を再生しており、見終わったら原作を起動して「横浜基地防衛編」(アニメ最終話の続き)をプレイする。その後しばらくするとまたアニメを見始める。
周回するたびに思う。
この作品はなんて面白いんだろう。
物語がひと段落ついた後に、「この世に生まれてきてくれてありがとう」という感謝の念が心の底から湧いてくる。
◆甲21号作戦の背景について
甲21号作戦。
PCゲーム〝マブラヴオルタネイティヴ〟のいちエピソードで、恐らく全オタクコンテンツのエピソードの中でも最上位に食い込んでくる面白いの塊。
この世界の人類は、〝BETA〟っていう宇宙からやってきた怪物とずっと戦争してるんだ。
火星で発見されたBETAは月を経由して、カシュガルっていう中国の西の最果てに着陸し、ハイヴ(基地)を建造。地球人類を40億人以上虐殺する。
日本もかなりやばくて、朝鮮半島から渡ってきたBETAが九州に上陸して、一時は東京の多摩川辺りまで侵略される。
その時はなんとかなったんだけど、今でも佐渡ヶ島のデカいハイヴからBETAがいつ攻めてきてもおかしくない。
この「佐渡ヶ島―東京」間の防衛線は国際的にも重要で、もし日本がやられたらBETAが太平洋からアメリカに渡ってしまい、本当に勝ち目がなくなってしまう。
そうなる前に、
日本軍と国連軍で新兵器を引っ提げて、佐渡ヶ島ハイヴに総攻撃をしかけようっていうのが、今回の物語である甲21号作戦なんだ。
甲21号作戦より前は、人類はずーっとBETAにボコられっぱなし。
特にユーラシア大陸は地獄絵図で、全部の国の政府が別大陸に退避、ハイヴがほぼ等間隔に並んでいる。
ちなみに人類は一度もハイヴを攻略できたことがない。
攻略できない基地が地球に26個あって、40億人死んでる。
マジでヤバいでしょ?
この世界の人類は、もう5年持つか持たないかっていう、死の瀬戸際で戦ってるんだ。
◆「作戦開始から被害がとんでもないことになっている」
甲21号作戦は大まかに説明すると、
①囮役の軍隊を上陸させてハイヴ地下のBETAを誘いだし、
②手薄になった別方向から新兵器で砲撃する
といった具合で、最初は囮役の軍隊を佐渡ヶ島に上陸させるシーンから始まる。
実は、地球にハイヴがいっぱいあるとか、40億人殺されてるといった情報は、原作では口頭で説明されるだけであり、したがってこの甲21号作戦が初めての対BETA描写となるわけだが、
俺は原作で囮役の軍隊を上陸させるシーンを見た時に、なぜ人類がここまで追い詰められているのか、感覚的に実感した。
BETAは8種類いるのだが、実質的には2種類しかいない。
①光線級と
②その他大勢
その他大勢はがむしゃらに突っ込んでくるだけ。
BETAはとにかく数で圧してくる。何匹殺しても無尽蔵に湧いて、イノシシみたいに走ってくる。
資源が有限な人類にとってはこれだけでもキツいんだけど、光線級はこいつらとは比較にならないほど強い。
光線級の有効射程は300km以上で、関西から関東上空の飛行機を百発百中で撃ち落とす。
アニメの敵勢力特有のくそエイムは、マブラヴ世界にはない。
アニメでも光線級がレーザーをたくさん発射しているが、実は、あれらは全部なにかしらに当たっているんだ。
光線級は、絶対にレーザーを外さない。
ここで甲21号作戦の概要を思い出して欲しい。
①囮役の軍隊を上陸させてハイヴ地下のBETAを誘いだし、
囮役の軍隊は、母艦に載って、遮蔽物のない海上から近づかなければならない。
アニメでもよーく聞くとオペレーターが話しているのだが、
「揚陸艦隊の被害甚大なれど、作戦の続行に支障なし。轟沈81、うち戦術機母艦49、大破52……」
つまり上陸する前に軍艦が133隻も潰されていることになる。
オペレーターの被害報告の後すぐに主人公の視点になって、
「作戦開始から被害がとんでもないことになっている」
って独白が入るのだが、俺もプレイ中に同じことを思った。
上陸の段階でここまで犠牲を払わされるのか……。
BETAが初めて地球に着陸した時には、光線級はいなかったんだ。
地球初の着陸ユニットが中国西部に落下した時、中国政府は航空兵器で戦いを有利に進めていたんだけど、BETA側が人類の航空機に対応する形で光線級を生み出し、それ以来人類側はBETAに一方的に蹂躙されることになる。(岩盤を溶かす採掘種から進化したらしい)
この辺の歴史は序盤の説明で知ってたんだけど、揚陸作戦中の光線級の激しい迎撃を見た時に、
「光線級の強さ」と「この世界の人類が絶滅寸前まで追い詰められている」っていう二つの情報が頭の中で結びついて、
その瞬間、俺の中で〝マブラヴオルタネイティヴ〟っていう作品が特別なものになった。
ちょっと前の〝帝都クーデター編〟の時点で「この作品ヤバいな」とはなってたんだけど、〝甲21号作戦〟の光線級の迎撃を見た時はなんというか、この作品がもっと精神の深い所まで降りてきたというか、
「これが進撃の巨人を生み出した作品か」
っていう興奮を覚えたんだ。
◆「陽動を志願しますッ――俺にやらせてください!」
甲21号作戦には、「マブラヴといえばこのシーン!」っていう名場面がある。
主人公の白銀武属するヴァルキリーズは、新兵器をレーザー照射から守るために、砲撃地点付近の光線級の掃討作戦を決行する。
BETAの軍勢に突撃するヴァルキリーズ。
これを受けてBETA側は、全高60mの要塞級を壁のように展開して、光線級を守る。
攻めあぐねるヴァルキリーズ。
早く光線級を倒さないと、新兵器がレーザー照射を受けてしまう。
「ラザフォード場があるとはいえ、主機に負担がかかるから、なるべくレーザー照射させないでちょうだい」
夕呼先生の言葉を思い出した白銀は、敵の防衛線を越えるために、自ら囮役を買って出る。
「速瀬中尉ッ! 陽動を志願しますッ――俺にやらせてください!」
恐らくすべてのマブラヴ信者たちが満場一致で推すであろう究極の名シーン。
俺的にも作中で一番出力の高いシーンはここだと思ってる。
その理由はなんと言っても、「白銀の大活躍」だ。
ここまで白銀は、操縦技術が高いともて囃されてきたものの、特に目立った活躍はしてこなかった。
マブラヴ世界の戦闘は、上官の指揮のもとで組織的に動くのが常であり、ガンダムみたいに一機で無双するような場面はほとんどない。
そんな世界観のもとで、十時間以上プレイした果てにやってきた、この大舞台。
熱い。
熱すぎる。
他のメンバーは白銀機を残して反転。
白銀が一機で突っ込むと、無数のBETAに取り囲まれ、集中攻撃に晒される。
白銀の奮戦を遠くから見ている仲間たちはこの表情。
いや~、いいですね~
BETAに類する敵勢力――例えば、仮面ライダーのショッカーとか、ゾンビ物のゾンビとか、ワールドトリガーのネイバーとか、進撃の巨人の巨人とか、シドニアの騎士のガウナとか、他にも色々あるけど、
能力バトル評論家であるこの俺から見ると、BETAは他作品の敵勢力と比べて頭一つ抜けている。
BETAには、バトルが面白くなるような仕掛けが設定の段階から組み込まれていて、それを象徴するのが前半に話した揚陸作戦時の激しい迎撃であり、白銀の大活躍を生んだ光線級哨戒(レーザーヤークト)という作戦過程なのだ。
この辺の能力バトル要素は機会があったらいずれ体系的に語りたいと思っている。
◆あとがき
最後まで読んでくれてありがとう!
他にもいろいろ書いていくつもりなので、よかったら見てね!🫠