④社会の死角で家を持て〜複雑性PTSD当事者の雑記帳〜
続き。
あれから家の方はなんとかなったような、ならないような。結局、出ることもなく住み続けている。
引っ越せない都合も色々あった。
1つ、改氏名の変更がまだ済んでいない、家庭裁判所から返事がないこと。
2つは示談金を虐待相手からぶん獲るために法律事務所と繫がっていなくてはならず、やっとこさ住所変更の申し出をしたばかりということ。
…それに、ここを出たとして他の所へすぐ行ける訳でもない。事情は前述の通り。
……なんかめちゃくちゃ乾いた文章しか書けなくなってるな!
なんだろう。感情が凪いでいる。
少し厚めのガラスから通してみた飼育ゲージの中のような、艷やかなハムスターの黒目からは何も読み取れない、的な。何を言っているんですか?
あれから病気(複雑性PTSD)の方は進展は無い。強いていうなら夜に眠れるようになった。
気温が落ち着いて涼しくなったこともある。あとは私の努力(血滲)により過去の自分を俯瞰して見られるようになったということも、ある。
しかしそれ以外に問題が滲み出てきていた。走って擦りむいたとする、ティッシュにアルコールをにじませる、あれくらいひたひたに滲んできていた。
侵入症状である。
専門用語なので知らない人もいるだろう。侵入症状が思考の形で出ると毎分毎秒ごとに事件の映像やそれに纏わる言葉がハザードランプみたいに点滅し続けるのだ。めちゃくちゃ邪魔なのだ。
………。
最近は漫画を描いている。作業をする時にめちゃくちゃ邪魔なんである。
もうほんとにどうしようもないのだけど、すんごい邪魔。3回言った。
心の中で舌打ちをしつつ作業している。漫画を描いている時は楽しい。特にプロも使っているというクリップスタジオペイントというツール?アプリ?を使いこなせるようになってくるとすごく楽しい。…フワフワした解像度で申し訳ないが、必要な事以外はほんとうに投げ捨てて進んでいるので。
体感としては小さくてボロい船を漕ぎ続ける為に「記憶」という名の積み荷をじゃんじゃん捨てている、という感じである。
この例えはあながち間違いではない。
近況は以上なので、少し病気の話をする。
トラウマ記憶は、冷凍の生肉に例えられる。つまり大荷物なのだ。脳みそにとって。
故にじわ…じわ…と解けだしたり何かのきっかけで一気に解凍されたりする。これがフラッシュバックというやつだ。
つまりトラウマ記憶を入れ続けている限りは脳みそが正常に働かない、そのしわ寄せが来ているというワケなんですね〜。
なんですね〜と他人事のように書いたが、うっすら困っている。でもやはり実感はうすい。
最初に書いた通り感情の起伏が無い。嬉しい、楽しいが分からない。つらいも悲しいも分からない。
溶け出す記憶をしみこませないように、力いっぱい硬くちぢめた結果、心の柔軟性を失ってしまったようだ。
…だからどうするということもなく、ああそうか、という気持ちだ。今は。
ようやく夜を取り戻せたと思ったのに。
地獄の総質量は1グラムたりとも変わってはいなかった。
私はずっと、記憶を手放さない限り、衆合地獄の罪人のように同じ針山を登って降りて登って降りてを繰り返すのだろう。針山の頂上の美女に手招かれるままに。
…暗いことを描いてしまったけれど、私はげんきです。
なんとかかんとか生きています。
この文章が、なんか暇な人とか、病気について知りたい人、似たような経験をした人、色んな人に届きますように。
こうやって家にいながら誰かに向けて喋れるのは、インターネットの恩恵だなあと思いました。
いつか本当に夜が明けますように。
それではまた。
書きたいテーマはいっぱいあるので、ぼちぼち更新がんばります。