地蔵菩薩の絶大なご利益を絵巻物にした『星光寺縁起絵巻』が、東京国立博物館で展示されていました。
その概要をお伝えします。
地蔵菩薩は日本では広く親しまれてきた仏です。この「星光寺縁起絵巻」には、星光寺というお寺に実在したお地蔵さまが起こす様々な奇跡が描かれています。例えば星光寺の浄空という僧が地獄に堕ちそうになったところ、お地蔵さまは地獄まで出張して閻魔大王に直談判し、浄空の地獄行きを取り消しています。閻魔大王側にとってははなはだ迷惑なことだったことでしょう。これらの奇跡を絵巻を通して見聞きした人々は、星光寺のお地蔵さまへの信仰をますます深めたことでしょう。
解説パネルより
プロローグ……正応の頃の頃に、出雲国の如願さんという尼さんが、訴訟のことで京へ行きます。六角堂へ行くと、お地蔵さんに祈願するようお告げを受けたそうです……
すると如願さんは、お地蔵さんに祈願して、訴訟にも勝つことができました
お地蔵さんのおかげで勝訴した如願さんは、お地蔵さんを深く信仰することになり、星光寺の近くに住むことにしました……ここって、その如願さんの家なんでしょうかね? だとしたら、すごい豪華な家です
当時の魚の調理法などがよくわかります。魚などは、あまり素手で触ることはなかったようで……これは現在でも、なにかの祭の時に再現されたりしますね![](https://assets.st-note.com/img/1662871377806-U2UHBre6yc.jpg?width=1200)
正応の頃の頃には、星光寺のお坊さん・浄空さんが、夢の中で古井戸に落ちてしまったそうです……すると落ちたところは地獄でした……
地獄がどんなところかの詳細が絵巻に描かれています。これは大きな臼の中で、地獄へ落ちた人たちが、鬼たちにすりつぶされていますね
大きな水晶玉の中に、映像が流れているのでしょうか。鬼が「前世でおまえは、こんな酷いことを、してきたんだぞ!」と、問い詰めているんでしょうか
空中に架けられたハシゴを渡るゲームですね。金棒を持った鬼が「早く行け!」と突っつこうとしています。またハシゴから落ちると龍に食べられちゃうんでしょうか? 水のなかで龍が待ち構えていますね
浄空さんでしょうか? 「お願いですから、地獄から出してほしいです!」と、お地蔵さんに命乞いをしているようです
するとお地蔵さんは、閻魔大王に掛け合って、「浄空を地獄から出してあげてください」と命じているのか、頼んでいます
お地蔵さんのおかげで地獄から出て、現世に戻ってこられた浄空さんは、お地蔵さんに感謝します
その後の浄空さんは、深くお地蔵さんを信仰しながら修行を重ねます。そしてお地蔵さんの導きによって往生を遂げられたそうです
星光寺の庭ですかね。すすきや菊が、平穏な雰囲気を表現している気がします
話はまた変わって、正応二年の星光寺門前の仏師のところです。ある僧が現れて、折れてしまった錫杖の修理を依頼しています
すると、その錫杖は、星光寺のお地蔵さんのものだったそうです。お地蔵さんをよく見ると、仏師が修理した錫杖を右手に持っていますね……ところでこれは、だからどうした? という話ですけどね