明治以降の建築模型にワクワクした『たてもの展』〜科博編〜
2020年の年末から年明けにかけて、東京国立博物館と国立科学博物館、それに国立近現代建築資料館の3館で、企画展「日本のたてもの 〜自然素材を生かす伝統の技と知恵」が合同開催された時の記録です。
それでは科博の展示から。
◆第一国立銀行
同企画展が開催されていたときは、ちょうど渋沢栄一の『晴天を衝け』の最終回が近いか、終わったばかりの頃でした。そのためか、展示室の一番最初に展示されていたのが、渋沢栄一が創設に関わった第一国立銀行の模型。和洋折衷建築を模索していた時期というべきでしょうか。少し“和”のクセが強い、御城のような建築となっています。
◆石巻ハリス正教会堂
◆赤坂迎賓館
◆帝国ホテル(2代目)
これは、(旧)帝国ホテルです。フランク・ロイド・ライト が設計したことでも有名ですが、この「ロイド館」と呼ばれる建物は、帝国ホテルの2代目とのこと……この時まで知りませんでした(初代の建物だと思っていました)。残念ながら、いまの帝国ホテルには、ほとんど面影が残っていませんね…。ただ、現在のホテル内を歩き回ると、ところどころにロイド館当時の壁面などがチラッと遺構として残されています。玄関部は、愛知県の明治村に移設されているので、機会があれば見てみたいです。
『たてもの展』とは関係ないのですが、Wikipediaを見ていたら、帝国ホテルの初代も、欧州の宮殿のような外観でとても立派ですね。
写真をよーく見ると、建物の前方に池があり、写真左側には石垣があります。まったくの推測ですが、これは現・帝国ホテルの斜め向かい側の、日比谷公園内にある(旧)日比谷見附の遺構のような気がします。どういう方向で建物が配置されていたの……現在地とは少し異なる場所に建てられていたのか、詳細は調べていませんが、当時はまだ日比谷通りも晴海通りも、今みたいに広くなかったのかもしれません。それにしても、こんなにとうとうと水をたたえている立派な濠だったんだなぁ(江戸城、すげごいな)と…建物とは関係ないところで興奮してしまいました(今は、日比谷公園の端っこに、雀の涙ていどにしか濠が残っていないのが残念です)。
◆国立科学博物館
そしてこれは、『たてもの展』を開催していた場所……国立科学博物館の模型です。そう……この建物自体がとても魅力的なんですよね。
国立科学博物館は、たてもの好きには有名だと思いますが、真上から俯瞰すると、飛行機の形をしています。現在も、ほとんど原型をそのままにしています。
模型を見て回るのは楽しいです。精巧なプラモデルを見るような気分だからでしょうか。建築の専門家ではないので、この模型自体が、美術品のようなすばらしさを感じます。
建築への興味が広がったところで、改めて開催場所である国立科学博物館の旧館(日本館)を見渡してみると、やはり本物はもっとすごいなと。大きさからくる重厚感でしょうか……やはり大きいというのは偉大ですね。
これも有名な話ですが、国立科学博物館の旧館(日本館)の階段ホールなどの壁のあちこちには、アンモナイトの化石が見られます。子供と一緒に、あそこにあった! とか、こっちにもあった! とか、探すと楽しいです。
今でも年パスを持っている科博を、東博ほどではありませんが、たびたび訪れます。科博には旧館(日本館)と新館(地球館)がありますが、建物としては、やはり旧館の方が魅力的です。なぜ古い方が魅力的に感じられるのか……不思議です。