歌麿、広重……浮世絵に隠された謎を解く
昨夜、食後に一人でベッドに横になり、noteで紹介されていた『東京ポッド許可局』をRadikoで聞いていました。そうしたら小学生の息子が、リビングからやってきました。そして一言……
「なんか、この辺がくさぁい!」
「この辺って、私が臭いってこと?」
「いやそうじゃなくて、このへんが」と言いながら、私の頭を中心に手で円を描いています……やっぱり私が臭いってことじゃない。
「どんなにおいがするの?」そう聞くと彼は……
「アゲハの幼虫のツノのにおい」
「なんだそれ?」と言いながら、私はアゲハの幼虫にツノがあるのか? とか、あったとしても小さいだろうそのツノの匂いって、どんなだろうと考えてしまいました。
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さて、東京国立博物館の魅力の一つが、季節に合わせた作品が展示されることですよね(ほかの美術館や博物館もそうでしょうけどね…)。そんなトーハクへ行ったら、草地に彼岸花が咲いていました。すっかり秋ですね。先週、トーハクを訪ねた時のお話です。
特に季節を感じるのは、浮世絵コーナー(それに屛風と襖絵、書画の展開、近代の美術などの部屋)です。
今月は9月ということで、「菊」にちなんだ浮世絵が多かったです(9月21日の展示替えで、以下の浮世絵は見られなくなっているかもしれません)。後述しますが、菊が咲く旧暦の9月は「菊月」とも呼ばれていたそうです(一般には「長月」)。あわせて「菊慈童」という、菊と関連する中国の故事を題材にしたものも多かったです。
この「菊慈童」、わたしは全く知らなかったのですが、能の演目として有名なのだそうです。「the能.com」の「枕慈童」に詳しいです。
■ミュシャっぽい? 歌麿の「菊慈童」
■北斎の娘婿・柳川重信が描く繊細な「菊慈童」
■美少年の菊慈童を、美人の姿で描いた「見立絵」
浮世絵には「見立絵」というジャンルが形成されています。特に鈴木春信が多く見立絵に取り組んだそうです。下の絵は北尾重信によるものですが、ネット検索してもよく出てくるのは、同じ『見立菊慈童』というタイトルの、鈴木春信の作品です。