どうしてこんなに色っぽい?恋愛をテーマとした“インドの細密画”……@東京国立博物館
東京国立博物館(トーハク)の東洋館には、東アジアの遺物が展示されています。なかでも、どうしたって目立ってしまうのが、インド系の展示品……特に女性をかたどった像や描いた絵です。なぜって、女性がものすごくセクシーなんですよね。
そうしたインド系の展示品がかたまって展示されているのが、地下一階の「インドの細密画」コーナーです。おそらくトーハクの中では「え!? ここにも展示コーナーがあるんだ?」と思ってしまうワーストランキング 5位以内に入るような、目立たないスペースに“こっそり”展示されています。そして今月1月28日までは、恋愛をテーマに細密画が展開されています。
「ナーヤカはヒーローを、ナーイカはヒロインを意味」するそうです。解説パネルの文言を見て始めて気がついたのですが、ヒーローのナーヤカが、遠くを見つめながら、ヒロイン=ナーイカの胸をもみもみしちゃっています。解説パネルには「背後から抱きかかえています」とありますけど……いや、そんな生易しいものじゃないっスね。
こちらも男女がテラスで愛し合っています。構図としては、だいたい先ほどの《ナーヤカとセミヌードのナーイカ》と同じです。まぁこちらは王子の手が、すれすれ胸にはかからず、脇に添えている……という感じです。
男女のいちゃいちゃ絵画の第3弾目です。なんでしょうね……引いて見るとすがすがしい感じなのですが、近づいてみるとエロいというか……。こういう絵は17世紀から“しばしば”見られるのだそうです。だれが、家のどんな場所に飾るんでしょうか? でも、リビングの壁に飾ってあったら、家族が少しハッピーな気分になるかもしれませんね。
解説パネルには「宮殿のテラスで催されたパーティーで女性たちがすっかり酔いつぶれてしまった様子を描いています」と、優しい言葉で記されていますが……これは乱痴気騒ぎですね。
素描だからなのか……それともこのまま胸が丸見えの半裸の状態で完成させようとしたのか分かりませんが……赤裸々な感じですね。
これまで何度も、このコーナーでインド細密画を見ています。いつも女性は色っぽいしセクシーな雰囲気をまとっていますが……今回はそれにエロティックがかなり加えられています。なんだかいつもよりも絵師たちの筆致に、勢いがあるように感じる……と言ったら言い過ぎでしょうか。
やっと落ち着いた感じの絵になりました。《三曲法のポーズのナーイカ》……三曲法というのが何か分かりませんが、腰、胴、首をくねくねとさせたのが「三曲法のポーズ」なんでしょうか……。鹿が近づいて誘われるように近づいていますが、実はヒーローのナーヤカが鹿に化けて近づいている……なんてことはないでしょうね。
それにしても、絵の周縁の文様というかテキスタイルが素敵すぎますね……と思ったら、解説パネルには「外縁部の植物文様は後補」とあります。後から追加したということでしょうか。