点字の数字(5)桁数が多い時編(点字のはなし(39))

例えば、12345678円
すぐに読み上げられますか?
心の中で「いち・じゅう・ひゃく・せん…」と言ってから、でしょうか?
私もです。今日はそれにかかわるお話。

前の記事はこちら

注:以下、点字の五十音を「仮名」と表現します。
  数字等と区別をつけるため、便宜上です。ご承知おきください。

ここに「12345678」という数字があったとしましょう。
位取りして読むと、「せん にひゃく さんじゅう よんまん ごせん ろっぴゃく ななじゅう はち」です。

これを点訳する時、帳簿や一覧表などでは、通常、「数符」を使ってそのまま書きます。
もちろん3ケタごとに位取り記号(3の点)をつけて書いてもOKです。

<数字の点訳、そのまま書くバージョン。>

でも、このような数字の羅列は、読みにくいですよね。
「いち・じゅう・ひゃく・せん…」
と唱えながら数字を追って、最終的な位を把握したうえで、
「せんにひゃく…」と読みはじめる方が、圧倒的に多いのではないでしょうか?

ということは、点字使用者にとっては、なおさら大変です。
指で一つ一つの数字を触って読むので、数字が何個続くのか(何桁なのか)、全て触り終わらないと確認出来ないからです。
間違えたら、最初から触り直し?それは辛い。

そこで、帳簿などを除き、通常の点字の文章中では、
「せん・まん・おく・ちょう…」の単位を、仮名で書いて良いことになっています。
「12345678」は、
「1234まん[マスあけ]5678」等と書きます。
墨字(普通字)で、「千・万…」と漢数字で書くのと似ています。

<漢数字で書く時と似ている書き方になります。>

ただし、点字では「せん」や「まん」の後は1マスあけるルールなので、
数符をもう一度、改めて書き直す必要があります。
そこだけご注意を。

通常の文章中では、点字の数字の羅列は、3~4個が目安です。
羅列が少なければ少ないほど、読みやすくなります。
具体的には、「5000_(つなぎ符)えんさつ」と書くよりも、
「5せんえんさつ」と書くほうが、ずっと読みやすいです。
とはいえ、「5」は仮名では書きません。数字で書きます。

<「五千円札」の書き方二通り。>

「つなぎ符」が分からない方は、前の記事(助数詞)をご覧ください。

まとめます。
桁数が多い数字を点字で書く書き方は、3通りです。
(1)そのまま(数字を羅列させて)書く
(2)位取り記号を使いながら書く
(3)「せん」「まん」など、途中に仮名を使って書く

この中では、三つめの書き方が、最もおすすめです。
最も読み間違えが少ないよう、配慮されているからです。

電話番号も数字の羅列に含まれるかと思いますが、
それについては下記をどうぞ。(点字のハイフンについて)

by くろうーろん

※こちらは過去にssブログ(2017-02-02 13:00)に掲載されていた記事です。再掲にあたり、一部修正致しました。