めったに使わない点字、「〇×」編(点字のはなし(46))

点字の教則本には、たくさんのルールが掲載されています。
でも、全て覚えていて、日常的に使っている人は少ないかもしれません。

例えば、「伏字(ふせじ)」の記号です。
伏字(伏せ字)とは、「〇〇さん」のような書き方をする「〇〇」の部分のことです。

<〇や×を、本当の文字の代わりに使うのが「伏字」>

以前の記事「記号が無い!」でも、
 > 点字には、マルバツ記号もありません。
 > 純然たる「マル・バツのマーク」は無く、○×は、伏字用です。
と書いていました。↓

ただ、恐らく日常の中で、「○○市」とか「××町」と書く機会は、めったに無いですよね?
それよりも、試験やアンケートで〇×を使う機会のほうが、多いのではないでしょうか?

でも、点字のマル・バツ記号は、「伏せ字専用」なので、試験やアンケートには使えません。

そこで、
「○」は「マル」
「×」は「バツ」
と、そのまま(発音通りに)書いて良いことにして、点訳でもそのようにしています。
 ※当センター独自かもしれませんので、使用時にはご注意を。

また、「〇〇さんが××と言った」のような文章は、
「なになにさんが なになにと いった」
と、記号を使わずに点訳する事もあります。
(昔はよく『ほにゃらら』とか、言っていましたよねー。)

点訳は、原文通りが原則ですから、記号を使うべきかもしれません。
でも、むしろ記号を使わない方が、かえって主旨が伝わりやすいかもしれない……そう判断すれば、あえて記号を使わなくても良いのです。

意図的に伏せ字を使っていると思われる場合を除き、点訳者がこういった配慮をするのには、全く問題はありません。
その際には、「点訳者挿入符」を使って、本来の記載について付記すれば良いと思います。

↓点訳者挿入符についてはこちら↓

by くろうーろん

※こちらは過去にssブログ(2018-02-19 13:00)に掲載されていた記事です。再掲にあたり、一部修正致しました。