初めて点字を書く前に(点字のはなし(42))

今さらで申し訳ありません。
本当に今さらですが、点字入門者向けの説明です。
初めて点字を書く前に読む記事…なんてネ…。

今、このページを読んでいる方は、少なからず「点字」や「視力(視覚)障害」に興味をお持ちなのだと思います。
目的別に道具をご紹介しますので、もし、
「点字を書いてみようかな?」
とお考えなら、どの道具を使うか決める前に、読んでみてください。

もちろん、当センターに直接ご相談いただくのが一番ですが!
函館視力障害センターHPリンク

点字用紙についてはこちら↓

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※以下の用具等は、障害をお持ちの方は、日常生活用具として申請が可能な場合があります。申請対象・自己負担額は市町村によって違います。各市町村にお尋ねください。

(1)点字をちょっと知りたい、やってみたい

小型点字器(6行×32マス)
<小型点字器(6行×32マス)、千円台>

小型点字器は、気軽かつ低予算で使えるので、点字の入門者にお勧めです。
(もっと書きたくなったら、もう少しお高い道具に移行して…という感じですねー。)

横幅は標準点字盤(後述)と同じで、行数は約3分の1です。
専用の点字用紙もありますが、普通サイズ点字用紙でも、付け替えしながら全行分書けます。
(ただし、普通サイズの点字用紙の付け替えは少し難しいので、練習必須です。)

(2)点字受験など、目的がある

標準点字盤、7千~1万円台 / 点字タイプライター(パーキンスブレーラー)18万円
<標準点字盤、7千~1万円台 / 点字タイプライター(パーキンスブレーラー)18万円>

必要な点字技術だけに絞って身に着ける場合です。
一般的に使用頻度の高い点字器は、標準点字盤だと思います。

まずは、受験したい試験について、点字はどのような取り扱いなのか、要項を確認してみてください。
どの程度の点字力が必要なのか、過去問を確認するのも良いかもしれません。

(ちなみに、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の国家試験ならば、当センターへどうぞ!(しつこい?))

あ・は・き師の国家試験は、「自分の名前と数字」が書ければ、点字受験が可能です。
また、問題は音声で聞くことが出来るので、点字が指で読めなくても大丈夫です。
そのため、
「試験が終われば、もう点字は使いません」
という方もいらっしゃいます。

となれば、
「試験1回のためだけなら、千円台の点字器で良いのでは?」
と思う方もいるかもしれませんが、小型点字器は、受験にはお勧め出来ません。
6行ずつしか書けないので、紙の付け替えが大変で、タイムロスになるからです。試験の緊張の中ですから、なおさらでしょう。

結局、「普通の点字器」が使いやすく、皆さん、上のような標準点字盤やタイプライターをお使いになります。
(点字タイプは次の項目もご参照ください。)

(3)日常生活で使いたい

標準点字盤、7千~1万円台 / 特殊点字器(名刺用…千円台、ハーフサイズは現在非売)
<標準点字盤、7千~1万円台 / 特殊点字器(名刺用…千円台、ハーフサイズは現在非売)>

日常的に点字の読み書きが必要になりそうならば、最低でも標準点字盤が欲しいところです。
特殊点字器はお好みで…。
右側の写真の、名刺用点字器は、ネームテープに点字を書くことも出来るのですが、もし頻繁に点字のネームテープが必要ならば、(1)の小型点字器の方が使いやすいです。

標準点字盤では足りない、もっとバリバリ早書きしたい!となったら、
次の段階として、点字タイプライターの購入を検討されても良いかもしれません。
お高いので、積極的にはお勧めしませんが。以前はもっと手ごろな価格の物もあったんですけどねえ…。

点字タイプライター(パーキンスブレーラー)18万円くらい
<点字タイプライター(パーキンスブレーラー)18万円くらい>

更に次の段階として、
点字タイプライターとパソコンがドッキングしたような機器(もっとお高いんですのよ?!)もありますが、初めての方向けではない気がしますので、ここでは省きます。

日常的に点字の読み書きが必要な方は、是非、当センターにご相談ください。
「自分に、日常的に点字は必要だろうか?」
といったお悩みにも、お応え出来るかもしれません。

(4)点訳したい

あ、ちょっと待ってください。

ご家族など、身近な方のために点訳される方は、手書きが良いかもしれません。上の(3)を参考になさってください。
というのも、パソコンで作成したデータは、「点字プリンタ」が必要だからです。
点字プリンターは、通常、100まんえん超え…ですし、印刷の時に大きな音がするので、個人で所有するにはキビシイかも…なのです。

という事で、まずは、
「自分が協力できる点訳ボランティアはあるかしら?」
というところから始めてみてはいかがでしょうか。

もちろん、とりあえず趣味の一環としてパソコン点訳…というのも、アリだと思います。いつか必要になる時があるかもしれません。

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パソコン用の点字アプリの写真
<パソコン用の点字アプリ
(PCは可能なら「Nキーロールオーバー(※)」の機種、値段は色々)>

現在、手書きで点訳されている方は、ほとんどいらっしゃらないと思います。
ほとんど、パソコンで点字のデータを作っていらっしゃいます。
手書きは「修正が困難・一つしか作成出来ない」など、非効率的だからでしょう。

上の写真は、点字ソフト、二種類です。
たくさんのソフト(アプリ)があり、それぞれ使い方が違い、お値段も色々です。

(※)Nキーロールオーバー
 点訳に使うパソコンはどのような物でも良いのですが、
 fljksd とか jlfksd とか dlfjks とか、同時に(順番問わず)
 書ける機種は、点字入力が可能なので、編集時に重宝『かも』
 しれません。重宝『かも』です。必須ではないです。
 確認の仕方…メモなど、文字が書けるアプリを起動し、
       ホームポジションのキー6つを同時に押す。

さて。
パソコンでの点訳は、テキストと変換アプリがあれば、機械が点字に変換してくれます。
また、上の写真のように、編集は墨字(普通字)で可能です。
極限すれば、「点字のルールをよく知らなくても出来ます」。

ただ、今のところ、どのアプリも、自動変換は完璧ではないです。少なくとも私はそう思っています。
最後の一歩手前までパソコンを使って、最後はールを知っている方に監修してもらうのが、一番安心ですね。

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参考になりましたでしょうか?

いずれ、点字タイプの記事もアップ出来るかと思います。
何を隠そう(隠さないけど)、私の初点字はタイプライターでした。
乞うご期待…。

by くろうーろん