点字の「下がり」という表現(点字のはなし(15))

教則本には載っていないけど、みんなやっている書き方。
今日ご紹介するのは、「下がり(さがり)」文字です。

…いや、ちょっと待ってください。

「下がり」って何ですか?
って感じですよね?
ですよねー。

ではまず、点字における「下がり」についてご紹介しましょう。

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「わ・を・ん」の「を」を、皆さん、何と言っていますか?
「下のを」「おわりのを」「助詞のを」でしょうか。

点字使用者はよく「下がりの『を』」とか「お下がり」と言います。

これは、わをんの「を」が、あいうえおの「お」と比べて、
点ひとつぶん「下がって」いるからです。
(下の画像を見てください。)

<「お」が下がって「を」になった…の図>

同様に、文末につけるマル(句点)を「る下がり」と言ったりします。
五十音の「る」は、点ひとつぶん「下が」ると、「文末のマル」だからです。

<「る」が下がって「。」になった…の図>

そして、( )←このカッコ。
一般には「まるかっこ・まるがっこ」と言うようですが、
点字使用者は「れ下がりかっこ」と言うことが多いです。

<「れ」が下がって「まるかっこ」になった…の図>

1番の点を2番に変更、2番の点を3番に変更…と、下げて書く。
これを「何々下がり」や「下がりの何々」と表現するわけです。
この言い方、独特ですよね。

<1、2、4、5の点が下がって…の図>

3と6の点は、それ以上さげられませんので、
必然的に、下がる前の文字は1、2、4、5の点の組み合わせです。

1、2、4、5といえば、五十音では
「あいうえお」と「らりるれろ」ですが、
「ア(ウ・リ・ロ)下がり」や「下がりのア(ウ・リ・ロ)」は、なぜか、言わないです。
全てに「下がり」があるわけではないのが、また、面白い。

「下がり」の概念が、おわかりになったでしょうか?
これを踏まえて、次回、「下がり数字」をご紹介しようと思います。

by くろうーろん

※こちらは過去にssブログ(2014-12-24 13:00)に掲載されていた記事です。再掲にあたり、一部修正致しました。

*補足説明*
点字のカッコ記号は、始まり(開き)も終わり(閉じ)も、同じ記号の場合がほとんどです。上の画像では「れ下がり=開き丸括弧」と描かれていますが、もちろん「れ下がり=閉じ丸括弧」も成立します。