ナースのお仕事その2~有料老人ホーム編
新しい職場にも徐々に慣れ始め、顔も覚えてもらい始めた
今日この頃。
今回は、前勤務先での体験を。
高齢者施設にもいろいろあって、
有料老人ホーム
シニアマンション
サービス付き高齢者住宅(サ高住)
特別養護老人ホーム などなど
自己負担額もピンキリで、介護保険は適応された上で更に
サービス提供内容によって、懐具合とあわせて選ぶことになるのかと。
下宿のように自立しながらも、一人じゃない安心のみ選ぶのか、
何から何までやってもらうのか、ざっくりそんな感じだろうか。
有料老人ホームに3年、サ高住に2年勤務経験がある。
サ高住は、基本的に住所変更を伴うご本人の住宅であり、
家賃を支払いながら、自主自立。
その中で洗濯、とか、買い物、とか、掃除、などを手伝ってほしいとなると
一つのオプションにつき○○円上乗せされる。
もちろん加えるも減らすも自由で、ケアマネが間に入って調整してくれる。
有料老人ホームとなると、食事代、入浴代、必要な介護混みのお値段となり
住所変更も必須ではなかったりする。(家族と同居時のままで、書類など
ご自宅に届き家族が確認できたりする)
ご想像の通り、介護量的には老人ホームと名がつくほうが多くなるので、
認知症の方も多くなるし、掃除洗濯以上の介護技術を求められるし、
昔で言う3k的な仕事になっちゃうのかな。。
しかしながら今のサ高住にも要介護5(ほぼ全般的に介護が必要)
の方が必ずいるのが、現実だ。
国が療養病棟を激減させ(医療費削減の目的で)、
寝たきりとなった人の生活の場を家庭へ、とさせたくて、
在宅サービスや介護施設を量産したのだが、
土台が確立されていないまま始めたものだから、問題は今も山積み。
悲しいニュースも、なくならない。。。
そんな中での、ナースの役割とは。
基本的に介護施設なので、介護が主流。
責任者やリーダー的な人も、介護士がほとんど。
だから、看護師が常勤していない所も少なくない。
その場合は、外部から定期的に来てくれたりしている。
夜勤もあるところ、ないところがある。
サ高住では、定期巡回看護という仕組みや、訪問看護を利用するため、
その方の主治医に指示をもらい、看護計画をたてて30分~長くて60分訪問
する形になる。(後日、訪問看護編で触れてみたい)
さて、いわゆる老人ホームでは。
自分がいたところは、90人くらいの入居者に、看護師3名。
夜勤のないところを選んだので、日勤のみではあるが、
インシュリンを打つ人、経管栄養の人などもいるので、
早出(6:30から)遅出(18:00まで)のシフト勤務となる。
もちろん、盆暮れ正月関係ないので、休日も不定期シフトだ。
毎日の基本的なバイタル測定は、夜勤の介護士がしてくれる。
そこで体調不良者がいた場合、連絡を受けて内服指示や受診判断など、
必要な対応をすることになる。
転んで骨折、食事が詰まって窒息、時期的にコロナ疑いやノロウィルス疑い
など、感染対策から処置まで(内科的~外科的)行っている。
往診があれば同行し、点滴や吸引などもあり、
卒業したてで働けるところではないかもしれない。
実際、3年の間に心肺蘇生を行ったことも何度かあるし、
救急要請も、月に一度はあるくらい、結構バタバタ忙しい。
そうかぁ、それなら看護師が常勤していると安心だね。
そう思うだろう。
ところがだ。
だいたい、高齢者施設を希望してくる看護師の多くは、
病院でなじめなかった方、引退してきた方が多かったりするんだ。
(もちろん、すべてではないので誤解のないよう…)
だから、入居者よりも歩くのがおぼつかない人もいたし、
上記にあげたような処置をしたことない・できない、
または、ちょっと一癖あるという看護師も、
ごく一部ではあるが、存在するのも事実。
そんなんでいいの?と思うだろう。
いいわけないけど、そうなんだ。
地域性もあるのかもしれない。
都会より田舎の方が、やはりいろんな面で遅れているのかもしれない。
そして、働き手不足。
看護師常勤を施設条件にしているなら、必要数確保のため、
資格があればよっぽどの事がない限り、採用されることが多い。
(実際、自分の面接時、施設看護が初めてだったので役割を聞いたところ、
体調管理しながら、入居者とお話や折り紙を…と言われた。
実際はそんな時間的余裕、ほとんどなかったよなぁ。。)
もしもそんな同僚がいた場合、この少ない人数で、何か事が起こったら…
安心してください、もちろん、助け合いますよ。
お母さんのように、指示も出します。
利用者からの苦情も、対応して調整して、振り返りもします。
…自分はね。
言葉遣いの悪さも、文句が多いのも、私語が多いのも、
きっとそれは、面倒を見てやってる という勘違いから生まれるもの。
なんで言うこと聞かないの!
さっきも言ったでしょ!
…それができてたら、入居しないよね。
怒ったら萎縮するだけ、本能的に警戒されるだけ。
何の効果もない言葉。
病院では、絶対そんな態度は許されなかったはず。
なぜ、施設ではそうなるのか?
なので、入職したい方は、施設長の面談よりも現場の同僚を見れたら
いいですね。
入居したい・させたい方は、スタッフの話し方や挨拶のしかた、
整理整頓具合なんかを見れたらいいですね。
歩き方なんかにも結構性質が表れると思われ、見学は、必要かと。
悲しいことに、気持ちのないスタッフも存在するので。
言葉の暴力も、恥ずかしいけど存在しているから。
そして、今後施設の看護師には、必要な看護技術のみならず、
認知症ケア・高齢者ケアとして、内心は大忙しでも、
焦らず穏やかな対応と、人生の先輩として尊重した態度を示す
気配りをしてほしいなと。
病院ほど最先端な技術は必要としないので、一通り経験したなら
十分対応は可能。あとは、応用と、許容・適応力。
たとえ認知症で家族を忘れても、信頼関係を結んだスタッフに心を開く
高齢者。
そこには、とても優しい時間が生まれる。
心からの笑顔をもらうたび、さすが年の功、頂ける安らぎ感が桁外れ。
これは、ぜひ経験してもらいたいな。。
ちなみに、施設での看取りを希望した場合、
食べたい希望があれば、ギリギリまで生寿司ちぎって食べてもらったし、
時間制限なく家族もそばにいてもらったりした。
もっと人手があれば、もっと寄り添ったケアができるのにと、
悔しい思いもした。
これから高齢者社会の課題として、もっともっと介護の世界を
政治として変えていってほしいと望む。
看護の歴史もそうであったように。
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