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力を抜くのは難しい
力んでいるよりも、自然体のほうがかっこいいなと思う。
例えば、趣味で通っているフラ教室の先生の踊り。余計な力が入っていなくて美しい。私がまねしようと思っても、どうにも同じ雰囲気は出せない。「指先までピンと伸ばす」と決めて、力を入れるのはできるけれど、力を抜こうと意識するとかえってぎこちなくなってしまう。
力を抜けないのはフラだけではない。育児のやり方や仕事への取組み方についても「真面目にがんばりすぎ」とか「真面目だと続かないよ」と言われたりする。真面目とは「余裕がなくて杓子定規」と同義語な気がして、少しコンプレックスを感じる。でも力の抜き方がわからず、また「力の抜き方とは」を真面目に考え込んだりして、真面目ループから抜けられないのだ。
ある日も、在宅で真面目に仕事をしていた。18時の終業後、気晴らしのため、公園に散歩に出かけた。9月に入ったのに、夜でもまだ暑かった。歩きながらイヤホンでラジオを聞いていたら、「風が秋らしくなってきました」と聞こえてきた。まだ夏みたいだ、と思っていたところだったから、驚いた。
でもそう言われて感じてみると、鳴いているのは蝉ではなく秋の虫だし、丘に吹いてくる風が夏とは違う気がした。「いつもと同じ」の思いこみをやめて感じ直してみたら、見逃していた季節の変化に気がつくことができた。
ふと思った。
もしかして、これまで「真面目だね」と言われたのは、一生懸命なことが悪いという意味ではなかったのかもしれない。「もうちょっと視野を広げてみたら?」というアドバイスだったように思えてくる。夏だと思っていた風の中から虫の声を聞き取れたように、必要なのは、頭で考えて無理やり力を抜くのではなく、空を見上げて、木の葉の揺らぎを感じることなのかも。
うまく踊る方法をじっくり考えることよりも、楽しく踊れているかとか、ハワイへの素直な憧れとか、根っこにある気持ちが大事なのだと気がついた。それと感覚に鈍感にならないこと。
細部ばかりを見るのはやめて、外に広がる大きな世界をよく眺めていこう。もっとしなやかになりたいと思う。