私が思っていた特別は特別でないんだ『下町サイキック』(吉本ばなな著)
吉本ばななさんの小説『下町サイキック』。大好きな吉本ばななさんの新刊だ。新しい本が出るとすぐに書店に買いにいく私は、今回もうきうきしながら手に取った。すぐに読むのはもったいないと思って週末までは表紙を眺めるだけにして金曜の夜から読み始めた。
読んでいると、実家の近所に住んでいた「ちこちゃん」のことを思い出した。
ちこちゃんは、実家の近くに住んでいた40代くらいの女性で、大きなうさぎのぬいぐるみを抱えながら玄関の外にある椅子に腰かけて、毎日通りを眺めていた。私が小学校から帰