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意外な食べ物も発酵食品 -発酵の基本知識-⑥
意外な食べ物も発酵食品
普段慣れ親しんだ発酵食品も実は発酵食品だったということもめずらしくありません。
その中からいくつか具体的に見てみましょう。
くずもち
「くずもち」と呼ばれるものには実は2種類存在します。
1つは関西でつくられ、葛粉が原料の「葛餅」
一方、関東で作られる「久寿餅」は小麦粉を原料とし、小麦粉のグルテンを分離させたあとの浮き粉を乳酸発酵させたもので、この二つは原料も製法も全く異なる別物となります。
見た目や食感なども全く違うものであり、葛餅は透明~半透明の色目で、もちもちとした独特な食感があり、水まんじゅうとも呼ばれています。
一方、久寿餅は歯切れがよく、寒天に近い食感で色も乳白色でさっぱりとした風味が特徴。
神奈川県川崎市川崎大師と東京都大田区池上本門寺と東京都江東区亀戸天神社の名物でもあります。
ナタ・デ・ココ
フィリピンの伝統食品で、日本では20年程前に一大ブームを巻き起こした、今ではなじみのあるデザート。
スペイン語で「ナタ」は「皮膜」の意味で、「ココ」はココナッツのこと。
ナタ・デ・ココはココナッツの上澄み皮膜を意味します。
見た目は寒天のようでその食感は弾力があり、不思議な美味しさにやみつきになるナタ・デ・ココも実は発酵食品です。
ココナッツの水分を酢酸菌の一種であるナタ菌で発酵させることで出来き、その構成はほぼセルロースで構成され、ローカロリーで食物繊維も豊富。
本来は酢酸発酵において酢を作らなくなることからナタ菌は害菌とされてきたが、その美味しさから現在では生産が盛んになり、日本では主にデザートとして親しまれています。
バニラ
お菓子作りなどによく使われるバニラも発酵によって作られます。
発酵によって使われるバニラは、バニラビーンズと呼ばれ、種子を含む種子鞘を発酵・乾燥の工程を数度繰り返すことにより、独特の甘い芳香が生まれます。
カカオ
チョコレートやココアなどお菓子の原料としてよく知られるカカオもまた発酵によって作られます。
カカオは主に中南米やアフリカなどで栽培されており、ラグビーボール型の果実で、チョコレートの原料などとして使われるのは、その果実の中にある種子部分で、カカオ豆と呼ばれます。
カカオの果実からパルプがついたままの実を取りだし、発酵させます。
発酵によりパルプが取り除かれ、その後、乾燥させたものがカカオ豆となります。
カカオ豆を粉砕させたものを加工し、チョコレートやココアのの原料として使われます。
タバスコ
その名の通り、メキシコのタバスコ州原産のトウガラシを原料とした辛み調味料ですが、実際はアメリカで作られた調味料です。
トウガラシ、岩塩、穀物酢が原料。タバスコ用のトウガラシ「タバスコペッパー」をまるごとすり潰し、オーク樽で3年間長期熟成させます。
その際、樽の蓋に塩をかぶせることで発酵したトウガラシの液体が塩に染み込み、やがて液体を含んだ塩は凝固し、蓋と密閉されていきます。
熟成された後に、酢を加え、1カ月程熟成させて完成します。
主にアメリカや欧米などで愛され、比較的ジャンクフードとの組み合わせをイメージされるタバスコですが、意外なことに添加物や保存料などは含まれておらず、伝統的な製法は製造を開始した1868年以来、現在も保たれています。