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「押す・引く」動作と一拍子の動き

部分を分けての一拍子(ひとひょうし)の動きは、いろいろと条件がついてきます。もう少し自由な一拍子の動きは無いのでしょうか。

・押す・引く動きと一拍子

「剣は押す・引くだけでけっこう使える」の中で、重心に対して、柄を動かすといろいろな動きができることを書きました。
十分に速く動くときには、慣性の法則によって重心が支点として機能するのです。

重心に対して働く力の方向次第で、剣尖は上がりもし、下がりもします。
その動きを一連のものとしてつなぐと、一動作で剣尖の上下ができることになりますね。

例えば下の図では、柄の動きは単なる半円ですが、動き始めでは柄が下がって剣尖は上がり、後半では柄が上がって剣尖が下がります。
この動きに剣の移動が加わると、打ち込みとして機能するようになります。

柄が半円形に動くと剣尖は上下する

単純な動きであっても、支点となる場所次第では、複雑な動きを生みます。関節を支点とするのではなく、重心を支点として動くと、動きのバリエーションは急に広がります。

・いくつもの動作の組み合わせが動きを生む

全身の関節に加えて、体幹までも数えると、可動部の数はかなり多くなります。その組み合わせでできる動きも無限。
一拍子の動きも、そうしてできる動きの一つです。

重要なのは、身体を固めて単純な使い方にしないこと。
固めて、単なる力の通り道にしてしまうと、こうした動きは生まれてきません。

ちょっとヒントになりそうなのがリンク機構の動画。
とくに6分48秒からのテオ・ヤンセン機構は一見の価値があります。

ついでなので、本家のテオ・ヤンセン機構の動きを。
単純な動きが、リンク機構次第でどれだけのバリエーションになるかを感じさせてくれます。
ちなみに、動力は風の力だけです。


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