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【第8回配信】消えゆくもうひとつの駅 バスセンター〈ターミナル食堂〉〈十和田観光電鉄三沢駅〉他

『八画文化会館vol.5 特集:駅前文化遺産』
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先行配信の第8弾まいりましょう。

本日は、鉄道駅ではございません。

「バスの駅」です。

では、いってみましょう。


ステーションデパートの元祖である阪急梅田駅をモデルに、日本で初めてデパート連結型バスターミナルが誕生したのは、岡山の地方百貨店である天満屋が1949年に完成させた〈セントラルバスステーション〉だった。

ブームは各地に飛び火し、数々の名バスターミナルが誕生した。ステーションデパートと同じく、バスターミナルもまた老朽化などで近年続々と解体され姿を消しているため、貴重な駅前文化遺産のひとつとして注目が集まっている。

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【目次】

1. 無形文化遺産に登録したい。そばをすすりバス待つ風景「ミヤコーバス佐沼営業所ターミナル食堂」
2. ストーブと駅そば。郷愁と旅情の元鉄道駅舎「十和田観光電鉄 三沢駅」
3. 残り少ない老舗バスターミナルを探してみよう

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1. 無形文化遺産に登録したい。そばをすすりバス待つ風景「ミヤコーバス佐沼営業所ターミナル食堂」

▲ターミナル食堂内部

2015年夏の昼下がり。お年寄りや子供連れの母親で賑わう小さな待合室は、甲子園の話題で持ちきりだ。仙台育英学園が26年ぶりの決勝進出を決め、東北初の優勝なるかと井戸端会議に花が咲いていた。

▲鯛焼きは中身がぎっしりでボリューム満点

ターミナル食堂の名物は、鯛焼き。地元で人気だ。天井近くに貼り出されたメニューを見渡すとワンコイン以下で食べられる定食や丼モノも豊富で嬉しい。

▲天ぷらそば(410円)

天ぷらそばを注文した。バスを待ちながら食べるのにちょうどいいサイズと味で、ゴボウとニンジン、ネギのかき揚げが乗っていた。

食堂隣のバス事務所職員も、食事をしにきていた。

元々ここは1968年に全線廃止となった仙北鉄道の佐沼駅跡地で、鉄道駅舎をバスターミナルとして使用していた。

事務所職員に聞くと、駅舎は78年の宮城県沖地震で倒壊してしまい、現在の建物はその後建て替えられたもの。

佐沼駅はターミナル食堂の対角線上にあるJAみやぎ登米の場所にあったという話だ。

かつては県内各地に宮城交通の「ミヤコーショップ」という売店があり、今ではここ1軒が最後の生き残りと言われている。ターミナル食堂もまた、消えゆくバスセンターの文化だった。

住所:宮城県登米市迫町佐沼中江2-3-4
訪問日: 2015/8/19


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