【第14回配信】写真でわかる駅前豆辞典「駅前の壁 編」
『八画文化会館vol.5 特集:駅前文化遺産』
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先行配信の第14弾をお届けします。
いよいよ最後のコーナー「駅前豆辞典」です。
駅前に対する用語(造語が多いです)を、辞典風にしてみました。まずは、駅前の主役である「壁」にまつわる用語集いってみましょう!
えきまえ-の-かべ【駅前の壁】
駅前広場を区切っている建物群の総称。駅前の壁、駅壁、たんに壁などとも呼ばれる。駅前広場という空間を成り立たせるために必要不可欠なパーツ。
旅人が駅の改札を出て最初に目にする光景であり、町の印象を決定付けるという大いなる役割を担っている。
壁を形成する建物のなかには、ローカル色の豊かな食堂、喫茶店、パチンコ屋、本屋、旅館などの商業施設があることが望ましい。
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【目次】
1.中低層ビル
2.パッチワークビル
3.個人商店の壁
4.駅前娯楽ビル
5.掲示板ビル
6.駅前食堂
7.駅前旅館&ステーションホテル
8.駅前本屋
9.よろずや
10.目印物件
11.ローカル広告
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1.中低層ビル
低層(1~2階)ないし、中層(3~5階)建築のビルのこと。特に、「5階建だが建設当時は県内随一の高さを誇った」と語り草になっているようなビルのこと。超高層ビル化する駅前地区で中低層ビルの味わいは増している。
▲名鉄犬山線 江南駅(愛知県江南市)
66年築の〈駅前第一ビル〉は4階建て。片側式アーケードの付く1階は喫茶店などが入居
▲東武鉄道伊勢崎線 武里駅(埼玉県春日部市)
鉄筋コンクリート長屋型の駅正面に位置する〈上原ビル〉。約80mのロングタイプ
2.パッチワークビル
複数で並び立って壁を形成しているビル群の総称。連立型ビルとも。横に並ぶだけでなく、手前と奥に重なり合って並ぶなどフォーメーションも様々。ホテル、雑居ビル、レストランのビルなど、種類の違うビルが並ぶ様も面白い。
▲JR東日本常磐線 石岡駅(茨城県石岡市)
左から〈川村ハイヤービル〉、〈大形屋駅前本店霞ケ浦名産店〉が並んでいる
▲近鉄山田線他 宇治山田駅(三重県伊勢市)
3階建てのビル2棟と駅前アーケード商店街の入口が並ぶ。広告塔の残骸もいい味
3.個人商店の壁
主に平屋、もしくは3階建て未満の個人商店が並び形成された壁のこと。ビル壁と違い、それぞれの壁面や装テンに個性が強く出るため、雑多な雰囲気が増してエキゾチックな仕上がりとなることが多い。
▲京急久里浜線 三浦海岸駅(神奈川県三浦市)
闇市然とした屋台風居酒屋の壁。駅正面だが、駅裏のような雰囲気がいい
▲山陽電鉄本線 高砂駅(兵庫県高砂市)
非常に渋いトタンの褪色具合。壁裏も見えるようになっており裏側も人気だ
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