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趣味の一環。全体的なテーマは『人ではない物の人格』。
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記事一覧

イタズラ時計

ふと時計を見て、驚いた。 小さく「うおっ…」と声が出た。 デジタル時計の表示を見ると、 7時…

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電脳ゴーストは成仏しない

昨日は、私の葬式だった。 火葬場で身体を焼かれたわけだけど、 幸い、もう死んでたから熱く…

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プール監視員(冬)

てっきり夏だけかと思ったら、 こんな肌寒い季節になっても、まだやってるらしい。 そして、人…

いぬはっか
2週間前
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ご近所さんに尻尾がある

寝間着のまま外を歩く。 普段だったらやらないけど、 こんな夜中だったら別にいいだろう。 夜…

いぬはっか
3週間前
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晩秋、太陽とケンカ日和。

「早寝だね。」 「夏も終わりだからな。」 太陽もすっかりオレンジ色になって、 今にも沈もう…

いぬはっか
1か月前
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巨人の落とし物

空を見上げて、「怖い」と思った。 あんまりにも怖かったから、 ひと回りして、逆に落ち着いて…

いぬはっか
1か月前
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メモを取ったら忘れてしまう。

メモ帳に書くまでは、「忘れてはいけないこと」だったのだ。 それが、メモを取った途端に「忘れても大丈夫なこと」に変わってしまう。 だから、つまりは、必死さが無くなるのだ。 覚えておかないといけない!という信念が消えてしまうのだ。 書けば書くほど忘れる。 人間がみんな同じくこうなのかは知らないが、 少なくとも、僕はそうなのだ。 不便だとも思う。 なんて出来の悪い脳みそなんだ!と呪いたくもなる。 しかし、物は言いようというやつで、 「自在に忘れることができる能力」と捉えれば、

セミに繰り出す親切な蹴り

林の近くを歩いている時に、 地面のあたりから呼び止められた。 見れば、セミが転がっている。…

いぬはっか
2か月前
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緑が足りない!

空を見ていた。 ふと、写真を撮りたくなって、 カメラを真上に向けてシャッターを切った。 …

いぬはっか
2か月前
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雲の休暇

いつもは全国各地バラバラだけど、 お盆休みの時期ってことでさ。 夏だしね。海に行こうじゃな…

いぬはっか
2か月前
2

飛んで湯に入る夏の虫(未遂)

こいつら、一体どこから入ってくるのやら。 どこも開けっぱなしにしてるわけじゃないし、 ちゃ…

いぬはっか
3か月前
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識字シャッフル睡眠

たぶん、頭を打ったせいだ。 昨夜、いざ寝ようと横になるときに、 フォトスタンドの角に頭をぶ…

いぬはっか
3か月前
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ドーナツの顔が分からない

コーヒーを淹れた。 砂糖もミルクも入れない。 その代わり、甘いお菓子と一緒にいただく。 こ…

いぬはっか
4か月前
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やたらと道を聞かれる日

セミが鳴いている。 それだけで、「夏だなあ。」って気分になる。 そんな気分になると、そうなる前より、 夏の暑さを実感してしまう。そんな気がする。 「そこの人、すいません。」と、 声がしたけど、誰もいない。 「ここらで、セミが鳴いていませんでしたか。」 声の主を見つけてみれば、 話しかけてきたそいつも、セミだった。 「向こうの林で鳴いてたけど、」 「そうですか。ありがとうございます。」 「待った。ここの道はまっすぐ行ったらまずい。」 お礼を言いながら、急いで飛び立っていた