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働く女たち 〜プラダを着た悪魔&マイ・インターンを観て〜
情報発信、映画編🎞️
今回は、Netflixで現在配信中のアメリカ映画『プラダを着た悪魔』と『マイ・インターン』を実際に観て、『働く女性』というテーマに対して思うことをまとめてみました!
どちらもアン・ハサウェイが主演を務め、バリキャリ、専業主夫、家庭と仕事の両立など現代の働く女性のあれこれをありありと描いていた作品です。見たことのない方、どんな話だったかなという方のために、概要から心に残ったシーンまで踏み込んでご紹介します✨
⭐︎プラダを着た悪魔
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まずは、プラダを着た悪魔から。
🔍概要
〈原作〉ローレン・ワイズバーガー(2003)
〈監督〉デヴィッド・フランケル
〈主演〉アン・ハサウェイ、メリル・ストリープ(2006)
〈あらすじ〉有名大学を出てジャーナリストを目指しNYにやってきたアンディ(アン・ハサウェイ)。ファッションに疎いアンディだったが、世界中の何百万人もの女性が憧れる“一流ファッション誌の編集部”という職業を手にしてしまう。次のキャリアのための踏み台だと考えていたアンディだったが、カリスマ編集長ミランダ(メリル・ストリープ)の理不尽な命令に振り回される。服装も生活も変えてミランダの信頼を得、キャリアアップしていく一方で私生活はボロボロになっていく。しかし、自分の仕事に全てを捧げるミランダの生き方と自分の生き方は違うと確信し、友人、家族、そして自分の信念に向き合い生きる道を選んだ。
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🫧心に残ったシーン、考えさせられた言葉
「仕事が上達するとみんなそうなる。全私生活が崩壊するよ。昇進の時期だ。」
職場の信頼するディレクターである、ナイジェルという男性の言葉。アンディは、何をしても認めてくれない上司、ミランダに認められるために考え方を変えて仕事に奮闘した。ようやく認められ始め、勢いに乗ったと思われたが、私生活では恋人の誕生日さえも残業で祝うことができずギクシャク。そんな時に言われたこのナイジェルの言葉。妙に納得してしまうような、「どうにかならないのか」ともどかしさを覚えるような、仕事と私生活の両立の難しさが顕著に表された言葉。
「彼女が嫌いだろ?悪名高きサディストだ。」「でも男だったらー“有能な人物だ”と誰もが認めるはず。」
ジャーナリストを夢見るアンディの憧れの存在であるライター、クリスチャンとアンディの会話。女性が集団を統率する場合と、男性が統率する場合の感じ方の違いについて言及している。ミランダは確かに度が過ぎる所があるが、ミランダが男性だったならば…と考えると、見過ごせる所があるような気がした。“女性のトップ”という前例が少ないだけに、後ろ指を刺される場面は多くなるのだろうか。2006年の映画ということもあり、現在よりその風潮は強かったであろう。今も根強く残る、性の見えない壁を示唆したアンディの言葉が刺さる。
「あなたは私に似ている。人が何を求め、必要としているかを超えー自分のために決断できる」
これは、終盤にミランダがアンディに言った言葉。アンディは仕事のために家族にも、恋人にも、同僚にも「仕方がない」と自分に言い聞かせ、自分の信念に反した言動をとっていた。しかし、ミランダが自身の立場を守るために人を裏切ったことに対して、猛烈に反感を持った。そんな時ミランダはこの言葉をアンディにかけたが、アンディはミランダの考えに賛同できず、自分の信念に向き合うことを決心した。この言葉はミランダという人物を端的に表現している。
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⭐︎マイ・インターン
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🔍概要
〈監督〉ナンシー・マイヤーズ
〈主演〉アン・ハサウェイ、ロバート・デ・ニーロ(2015)
〈あらすじ〉NYのファッションサイトの社長で結婚生活も親子関係も上手くこなし、全てを手に入れたジュールズ(アン・ハサウェイ)。仕事もプライベートも充実していた彼女のもとにシニア・インターンとしてベン(ロバート・デ・ニーロ)が雇われる。最初は70歳と、40歳も年上のベンを煩わしく思っていたが、いつしか人生経験が豊かな彼の助言を頼るようになった。そんな時、夫の浮気の発覚、親子関係の歪み、新たにCEOを迎える必要性など、ジュールズのもとに数々の問題が起こる。大きな決断を迫られたジュールズは、ベンの献身的な支えによって新たな一歩を踏み出すことができた。
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🫧心に残ったシーン、考えさせられた言葉
「振り払うには動き続けること。どこでもいい。家の外に出よう。」
序盤のベンの、シニア・インターン申し込みに送ったビデオ内での言葉。働く女性とは関係のない言葉だが、年長者からの教えは参考すべきだと思う。”悩みの対処法”については数多くの人物、書物が説いている。そのような“人間的な悩み”については、尊敬できる年長者をまず参考にするのが一番賢明だと思う。実際に直面した数が違い、それを乗り越えてきた数が違う。ベンをこよなく尊敬する一人として、私はこの教訓を心に留めておこうと思った。
「彼女は全力投球。止まらず、眠らず、食事もせず。」
「彼女キツイって聞いたわ。」「確かにタフで強い。だから旋風を起こした。」
ベンがアンディの仕事ぶりを評価した言葉。これまで仕事をしてきた中でも、最も尊敬する人物としてジュールズの名を挙げたベン。自分の身を削ってまで働く事を良しとするわけではないが、それだけ仕事に身を入れ、没頭できる女性はどうしてもかっこよく映る。それだけ志強く生きられる女性は少ないように思う。働く女性には、世間の固定概念、家庭、親からの圧力など気掛かりな事が多々ある。周りの協力も必要不可欠である。それを乗り越え、意思を貫き通せる女性がどれだけいるのか。そんな真に強い女性は、社会に旋風を起こすことさえ出来る、という可能性に満ちた言葉だ。
「私には満たせない自尊心だから。」
ジュールズを支えるために専業主夫になった夫、マットがママ友と浮気をしているのを知りながら、彼を離せないでいるジュールズの言葉。昔はバリバリ働いて自尊心を満たしていたが、家庭に入り、子供の世話という狭い世界では自尊心を満たせなかったマット。ジュールズは、自分が今のまま仕事をする以上、マットの自尊心を満たせないと自負し、思い詰めてしまう。ジュールズは夫婦二人の時間を大事にしようと、自分の意に反してCEOを迎えようとも覚悟した。実にもどかしいが、実際に起こりうるであろう問題に胸が痛んだ。
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◎働く女性について思うこと
ここまでは2作の概要と、私自身の感想を交えながら幾つかセリフを切り取ってご紹介しました!納得できる言葉、もどかしく胸がキュッとなる場面、つい憧れてしまう考え方。得るものが沢山ある、ぜひまとめて観ていただきたい2作です✨
最後に少し、私の思いを書きたいと思います。
「バリキャリ=バリバリ働くキャリアウーマン」。仕事を評価され、世間の固定概念をも取っ払い、胡座をかくことなく更に高みを目指す。容姿も手を抜かず、家庭にも携わり、人を大事にする。
これらを全てこなすことがどれだけ難しいことでしょうか。膨大な努力量が必要です。気力も体力も不可欠です。そんな彼女たちは遠い存在として羨望の眼差しを向けられる。前例がなく異例だと否定的な目を向けられる。
でも映画の彼女たちも同じ人間で、弱い部分がありました。ミランダが夫に離縁された時、ジュールズが夫の浮気を知った時。どんな強くかっこいい女性も、弱さを持ち合わせています。ただ、努力やその他の彼女ら自身の力があまりに大きくて、見えていないだけです。
男女同権が唱えられ、様々な保障が施されてきている今でも、働く女性に対する考え方にはまだまだ否定的なものがあると思います。
私は、犠牲を負ってでも膨大な努力を、社会のため人のためにしている人が、今回では“働く女性”たちが、努力し続けられやすい社会を心から望みます。頑張っている人が正しく評価される社会を望みます。
「マイ・インターン」のベンが言った一言。
「とにかく彼女に幸せになって欲しい。頑張った人だ。」
ここまでお読みいただきありがとうございました!!