映画レビュー(95)「ひみつのなっちゃん」
2023年1月公開の本作、岐阜県郡上市を舞台にしたご当地映画でもある。制作には東映と共に岐阜新聞映画部が加わっている。
ある夏の日になっちゃんが死んだ。ドラァグ・クイーンだったなっちゃんの後輩、バージン(滝藤賢一)、モリリン(渡部秀)、ズブ子(前野朋哉)の三人はひょんなことから、なっちゃんの郷里・郡上八幡で葬式に出ることになる。車で郡上を目指す三人の珍道中が中盤のメイン。
自分たちの性癖を隠して葬儀に出ようとしている三人は、当初はぎくしゃくとした関係だが、やがて彼らはそれぞれ自分や仲間を見つめなおすことになる。
ロード・ムービーの王道にLGBTQの問題を絡めた本作は、主役三人の名演技で観客の心をつかむ。滝藤賢一氏、ええですねえ。
ご当地映画というと、可もなく不可もない穏当な出来の作品が多いのだが、この作品は違う。舞台となった郡上八幡の郡上踊りがまた美しい。
個人的に好きな城下町で、隣県の愛知から時々バイクで訪問している。この映画観て久しぶりに行きたくなった。
(追記)
自宅から比較的近いせいもあり、私的な郡上八幡旅行はいつも日帰りだった。水がおいしい街で、当然、酒も美味い。一度、宿泊して、夜の城下町を心行くまで散策したくなった。
郡上八幡観光協会