映画レヴュー(134)「鵜頭川村事件」(WOWOW 2022)

2020年の小説「鵜頭川村事件」(櫛木 理宇)のドラマ化。あの「死刑に至る病」の作者である。
医師の岩森明(松田龍平)は娘を連れ、行方不明となった妻の仁美(蓮佛美沙子)を捜しに、妻の故郷である鵜頭川村(うずかわむら)を訪れる。12年ぶりに開催される、エイキチという名の神の祭りの準備のただ中で村は活気づいていた。しかし、そこは血縁に基づく不毛な一族同士の権力闘争が続けられる一方で、都市部から取り残された若者たちが鬱憤(うっぷん)をためる、絶望に支配された空間だった、という物語。
これは面白かった。おなじみ「村祀り」系のホラーのような味わいであるが、ラストはちゃんとしたミステリーで収束。このあたり、横溝系のホラーサスペンスを思わせる。
アマゾンでの星は少ないけど、信用する必要なし。私は十分面白かった。ま、悪役がマンガ的なぐらい典型的ではあるけど、この物語のキモはそこじゃないから。
個人的には、俺は田舎のコミュニティでの生活は勘弁してほしいな感。
鵜頭川村事件

(追記)
作中の藁で作ったエイキチ様に、俺のホラー脳は「ウィッカーマン」を思い出したのだった。あれも「村」モノだ。

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