プロズアンドコーンズ
「生きなきゃ、生きなきゃ」
生に対する焦りと渇望が
近頃、音を立てて迫ってくる。
死んだように働き
死んだように飯を食い
死んだように眠る日々を超えて。
無気力で過ごした10年間は
僕を社会的に抹殺する寸前まで優しく殴り続けていた。
生きていても
喋っていても
動いていても手応えはなく。
「どうせ僕のことなど、みんな忘れてしまうのならいっそ全てを諦めてしまおう」
後悔というガラクタの中で、
今とは違う時間を刻み続けた時計の針が僕を刺す。
あれも欲しい
これも欲しいと願い続けた声は届くこともなく
世界はいつまで経っても僕1人だけしかいなかった。
「それでも、生きていなけりゃいけないの?」
いつかの君の声が聞こえる。
「キエテシマイタイ」
...そうだね。
...じゃあ、明日1日だけ、一生懸命生きたらもう終わりにしよう。
そう考えてから、
なぜかずっと生きている。
「明日1日だけ、明日1日だけ」
「だってもう、いつ消えたっていいんだもの」
死ぬ気で生きてみるというのは
もっとエネルギーに満ち溢れたものだとばかり思っていたけど
案外ぬるっとしているものなんだね。
明日死ぬから
今日生きなきゃ
生きなきゃ
生きなきゃ
止まっていた正しい時計が
ゆっくりと動き始めた。
また、
明日ね。