シェア
吹山はじめ
2024年5月18日 08:50
え、ここもタバコ吸えなくなってるここも喫煙所ない...あのデイリーヤマザキも無くなってる...10年という月日は、京都の街を変えていた。「お久しぶりです、ハンナさん」「ああ、吹山くん、久しぶり、奥座って」「甘いやつが好きだったっけ?」「そうですね」「元気だった?」「何も変わってないです、10年前と」「結婚とか、子供は?」「いや、俄然独身」「あれ?彼女
2024年5月16日 17:56
「私の話はざっとこんな感じかな。さ、どうだ!私のこと怖くなった?笑」「いや、怖くはなってない」「怖くは、なってない?」「ああ、なるほど、怖くも、なってない」「ふふん」「ちょうどいい言葉が見つからない。そもそも僕が言葉に表していいほど、軽いもんじゃない」「いいよ、大丈夫。山さん、もし私のこと嫌になったら言ってね」「嫌になったらね」「嫌にならないよ、とは言ってくれないの
2024年5月15日 18:56
「山さん、こんばんは」「笹川さん、こんばんは、お久しぶり」「さて、てくてく歩きますか」「あ、笹川さんが貸してくれた本、めっちゃ面白かった!他の作品も読んだよ!新訳走れメロスとか!」「ああ!あれも面白いよねえ」「京都が舞台だから、我々にとっては読みやすいね、ありがたい」「うんうん、喜んでくれて何より。山さんにとって良きことがありますように、なむなむ!」「あ!万能のおまじな
2024年5月15日 12:01
「もしもし、ごめんね、こんな遅くに」「いいよ、どうしたん?」電話は苦手だ。相手の表情や空気感それらが見えない状態で汲み取らなければならない。今何をしてて、どういう状態で電話をしてるのか。何も分からない所から始まる。「この前ね、ハンナさんのとこに一人で行ったの、何か悲しくなってしまって、勢いでハンナさんに喋ってしまって、困らせてしまった」「そっか、そんなことがあったん
2024年5月13日 20:39
「ハンナさん、こんばんは。それと頼まれてた九条ねぎ」「ああ、ありがとう、座って。何飲む?」「えーと、じゃあ、あの北島ください」「はいはい、ちょっと待ってね」「で、どうかしたんですか?」「あのさ、この前めぐみちゃんが1人で来たの」「うん、それで?」「あの子、その日はすごい飲んでね、閉店の時間だったんだけど、もうちょっといさせてくれって言っててね」「ほう」「仕事での
2024年5月13日 00:05
「こんばんはー」「あ、吹山くん、めぐみちゃん、いらっしゃい」あれからというもの、僕らは何度か店に足を運び、ハンナさんとお喋りをする日々を過ごしていた。すっかり気を許してしまった僕は必要以上に飲んでしまいいつも後半ベロベロに酔っ払っていた。「吹山くん、大丈夫?」「あー、ハンナさん大丈夫大丈夫。問題なし!」「めぐみちゃんは強いね、しっかりしてる」「ね、山さんって男らしい
2024年5月11日 12:34
「あ、そういえば山さん。この辺に、新しく日本酒のお店ができたらしいよ」「へー、そうなん」「えーと、ここここ!sake cafe ハンナ!」「ええ、すごい隠れ家な店…中も見えないし、入りづらいな…」「入ってみよ?なんか楽しそうじゃない?」「緊張するなー」「だいじょぶだいじょぶ!いくよ!ごめんくださーい!」13年前、めぐみちゃんに引っ張られて僕はその店の扉を開けた中は1