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私が教師を辞めるまで#14~#15
【第14話】生徒との関わり:自分が好きになれば相手も必ず振り向く 前編
私の学校は、世間でいう「教育困難校」であった
生徒たちは授業に興味を示さなかったり、暴力やいじめを起こすこともしばしばあった。
私は教師として生徒たちに受け入れられるか不安だった。
初日から私が自己紹介しようとすると、
「お前誰だよ?」「興味ねえよ」「早く帰れよ」
といわんばかりの態度だった。
私は落ち着いて話そうとしたが、生徒たちは聞く耳を持たなかった。
私はどうすればこのクラスと仲良くなれるのだろうか?私は悩み始めた。
私は何とか打ち解けようと努力した。
授業では生徒たちの興味を引くような話題を選んだり、個別に声をかけたり、時には冗談を言ったりした。
しかし、生徒たちは私の努力に応えてくれなかった。
授業中に携帯電話で遊んだり、寝てしまったり、教室から出て行ったりすることが多かった。私のことを毛嫌いしているのが伝わってきた。
ある日、私はK君がタバコを吸っているのを見つけた。
私は怒ってK君にタバコを捨てるように言った。
するとK君は「お前が何でそんなこと言えるんだよ?お前ら教員もタバコ吸ってるじゃねえか」と反論した。
「お前らは偽善者だよ」と言って去っていった。
私はK君の言葉にショックを受けた。
K君からみれば我々は教師という立場を利用して威張っているように見えたのだろう。私はK君に誤解されていることを悲しく思った。
私はK君との信頼関係を回復するために、彼に話しかける機会を探した。
しかし、K君は私を避けており、なかなか接触できなかった。私は諦めずに、K君のことをもっと知ろうと思った。
【第15話】生徒との関わり:自分が好きになれば相手も必ず振り向く 後編
私はK君の成績や出席状況を調べた。すると、驚くべきことがわかった。
あらゆる教科でも優秀な成績を残していた。
ある日、私は放課後にK君が一人で教室に残っているのを見つけた。私は勇気を出して声をかけた。「K君、ちょっといいですか?」
K君は「何だよ?」と不機嫌そうに答えた。
私は「実はね、あなたの成績がすごくいいことに気づいてさ。どうしてそんなに勉強ができるんですか?」と聞いた。
すると、K君は驚いたような表情をした。「お前、俺の成績知ってんの?」「ええ、知ってますよ。全教科非常に優秀ですよ」と私が言うと、「お前、俺のこと興味あるんだ?」とK君が言った。
私は「もちろんですよ。あなたは素晴らしい才能を持っていますよ。」と。
K君は「好きか嫌いかじゃねえよ。必要だからやってるだけだよ」と言った。「必要だから?どうしてですか?」と私が尋ねると、「お前に言わなくてもいいだろ」とK君が言った。
そう突き放すように言葉を放ったK君ではあったが、彼が今までにないくらいに嬉しそうな顔であった。
私はその時に思った。
自分に興味を持ってほしければ、まずは自分が相手のことを詳しく知る必要がある。
そして私から興味を持って話かける必要があるのだと。