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配合成分「1%の壁」

さて、今回は全成分表示のルールについて、もう少し深掘りしてみましょう。先ほどお話ししたように、成分は配合量が多い順に記載されています…と、ここまではいいですよね。でも、このルールにはある「1%の壁」が存在するんです。


1%以上は順番通り、1%未満はフリースタイル?

化粧品の全成分表示では、配合量が1%以上の成分は多い順に書く必要があります。例えば「水」「グリセリン」「BG(1,3-ブチレングリコール)」と並んでいたら、それぞれの配合量は「水 > グリセリン > BG」の順です。ここまではスッキリ明快!

しかし!1%未満の成分は、なんと順位が自由!つまり、1%未満の成分については「ちょっと多めの成分」が先に書かれるか、「ほんの少ししか入っていない成分」が先に書かれるかは、全成分表示からは判断できないんです。

例えばこんな感じ
成分A(1%以上)
成分B(1%未満)
成分C(1%未満)

この「BとCの順位が逆でもいい」というルール、なんだか化粧品ラベルのミステリーを感じませんか?

「1%未満」は化粧品技術者だけが知る秘密?

ここでさらに衝撃の事実。ラベルを読んでも「どの成分が1%未満なのか」がわからないんです!「え、それってズルくない?」と思うかもしれませんが、これが化粧品業界のルール。つまり、1%の境界線を見極められるのは、製造に携わった化粧品技術者だけ。

例えば、「〇〇エキス」と書かれていても、「どれくらい入っているんだろう?」という疑問には答えてくれません。1%ギリギリなのか、それとも「ゴマ粒ほど」なのか…その真相は、まるで化粧品業界のトップシークレット!

だからこそ、成分表は使い方が大事!

ここまで聞くと、「じゃあ全成分表示ってあまり役に立たないの?」と思うかもしれません。でも、そうではありません。大切なのは「全成分表はヒント」として使うことです。

例えば・・・
保湿が目的なら「グリセリン」「ヒアルロン酸Na」が上位にあるものを選ぶ。

敏感肌なら香料や着色料が少ない製品を選ぶ。

完全な真実はわからなくても、大まかな傾向を掴むことは可能です。

1%ルールを知って賢く選ぼう!

1%の壁の存在を知っておくと、成分ラベルを見る楽しさが倍増します。「この成分、1%以上かな?未満かな?」と想像するだけで、化粧品売り場がちょっとした謎解きゲームに!

全成分表示は、完璧な答えを教えてくれるものではありませんが、化粧品選びの重要なヒントを与えてくれるツールです。だからこそ、ぜひ楽しんで読んでみてくださいね!

全成分表示には、技術者だけが知る秘密もあるけれど、1%ルールを知るだけで一歩前進。「ラベルはヒントの宝庫」と思って活用してみてください。次回も化粧品の秘密をもっと深掘りしていきますので、お楽しみに!

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