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子どもの看病を通して気づいたこと

明日は年長のリトルフェスティバル本番。
妻は年長の学年主任として子どもたちともいろいろ打ち合わせもあることから、今日は保育を抜けるわけにはいきません。
そんな中、上の子がヒトメタニューモウイルスに感染し、登園できない状況が続いています。
今週は妻や双方の実家の協力を得ながら乗り切ってきたものの、どうしても今日は誰も見ることができず、私が午前中の仕事を早朝に前倒しし、看病することにしました。

今日は、そんな一日を通して考えたことを書いてみたいと思います。


「お父さんと一緒」の時間

午前中、娘と二人きりで過ごすのは久しぶりでした。
いつもは「お母さんがいい」と言う娘ですが、今日は意外と大丈夫で、一緒に洗濯物をたたんだり、歌を歌ったり、ビーズでアクセサリーを作ったりしながら、穏やかな時間が流れました。
そして、突然「抱っこ」と言われ、抱っこをしていると、娘はすぐにウトウトし始めました。

30分ほどまどろんだ後、おばあちゃんの家に行く時間が近づくと、娘は「行かない」と駄々をこね始めました。
具合が悪いとき、お父さんでもいいから一緒にいたいという気持ちなのだろうなと感じました。
そのまま、また抱っこと言い、そのまま今度は本格的に寝てしまいました。

4歳なので、普段、午前中に寝ることはほとんどない娘が、ぐっすりと眠っている様子を見て、やはり体力が落ちているのだと実感。そりゃ、機嫌も悪くなりますよね。
私はというと、その間に、私は明日のリトルフェスティバルのオープニング動画の編集を進め、大急ぎで編集しましたが、2時間ほどたってもまだ娘は眠っていました。

「そろそろ起こそうかな」と思いながら、妻の実家と連絡を取ると、「急がなくてもいいですよ」と言ってもらえたので、そのまま仕事場とやりとりをしながら、家でできる仕事を進めました。

看病を通して感じたこと

私は仕事柄、外部の方との打ち合わせや意思決定をしなければならないことが多く、こうして子どもの看病をする機会はあまり多くありません。
申し訳ないなと思いながら、普段は妻や実家に頼ることがほとんどです。
ですが、今回改めて「自分ももっと子どものために休めるようにしたい」と思いました。

また、育休についても考えました。
私は育休を取ったことはなく、両実家も近くに住んでいるため、育児において孤立することはありませんでした。
しかし、今日のように娘と二人で過ごしていると、普段仕事をしているときとは全く異なる時間の流れを感じました。
育児をしている人が「取り残されたような気持ちになる」と言うのも、少し分かる気がしました。

政治家の方々が「育休を推進」と言いつつ、「その間にスキルアップをするといい」というようなニュアンスのことをおっしゃっていて、思わず苦笑してしまったことを思い出しました。

実際に半日だけでも看病をしてみると、自分のペースで仕事をするのがいかに難しいか、痛感します。子どもは汗をかいたり、お漏らしをしてしまったり、「お腹が空いた」とぐずったりと、思い通りに進まないことばかりです。

今日はたまたま長く寝てくれたので仕事ができましたが、いつもこんなに自由にできるわけではありません。

それでも、こうして娘とじっくり過ごせたことで、私は「子どもにとって安心できる時間を作ることができたのではないか」と思いました。
確かに仕事の生産性は低かったかもしれませんが、子どもにとっては、親と一緒にいる安心感が何より大切なのだと感じました。
そして、この安心感がこの子のベースとなることで、世代をまたいだ生産性は上がったのではないかななんて思っています。
ものすごく不安定ですぐ離脱する社会人ほど、生産性が低いものはないですし、そうはなってほしくないですからね…。

子どもにとっての「安心」とは

今日、娘をおばあちゃんの家に預けるとき、涙をぽろりと流しました。その姿を見て、胸が締め付けられる思いがしました。普段「お母さんがいい」と私を蚊帳の外にすることも多い娘ですが、それでも私のことを大切な存在として思ってくれているのだと感じることができました。

仕事をする上で、経済的に豊かになることは大切ですが、それだけが「幸せ」ではありません。
家族との時間や、人間関係の中で感じる安心感もまた、人生の大切な要素なのだと改めて思いました。

向山こども園の「休める環境づくり」

向山こども園では、家族のやむを得ない事情で休むことを原則OKとしています。有給を消化していただくことは前提ですが、それ以上に休まなければならない場面が必ずあるからです。

もちろん、子どもがいない職員や独身の職員には負担がかかる部分もあるかもしれません。しかし、組織のトップとして方向性を決める立場として、私は「家族を大切にできる環境を整えたい」と考えています。

子どもが病気のときに「お家で見てあげてください」と保護者にお願いしているのなら、職員もまた、そうできる職場であるべきです。
まだまだ十分な余裕があるわけではありませんが、人材確保や業務の効率化を進めながら、誰もが安心して家族を優先できる環境を整えていきたいと改めて思いました。
それと同時に、独身の方にとっても、自分らしく生きられる職場である必要もあるので、こちらの模索も進めていきたいと思っています。

看病を通じて見えたもの

今日、私は娘の看病をしながら、職場の仕事を一時的に離れることになりました。確かに仕事の進みは遅くなりましたが、それ以上に得られるものがありました。

子どもにとって、親と過ごす安心できる時間は、経済合理性や生産性とは無関係です。
しかし、それは子どもの成長において確実に大切なものだと感じました。
そして、家族を優先できる環境を整えることが、結果的に職場の安定や働きやすさにつながるのではないかと考えています。

私は、今日娘と過ごせたのは、保育者やスタッフさんの協力があってこそです。この場を借りて感謝したいと思ます。
と同時に、いつも見てくれている両実家や妻にも、本当に感謝しています。
これからも「自分らしく働ける職場」「子どもと親の安心を守れる職場」づくりを目指していきたいと思います。

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